今年の夏も厳しい暑さが続いている。7月21日には、気象庁が4月に名称を決めてから初めて、岐阜県多治見市などで最高気温40度以上の「酷暑日」となった。8月3日には、国内で40度以上を記録した日数としては9日目となり、昨年と並んで過去最多タイとなった。この暑さをどう乗り切るのか。読売新聞の投稿欄「気流」には、様々な意見や熱中症対策、体験談が寄せられている。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「暑さ対策」だ。
車内放置の危険性
福岡県の43歳の自営業の男性は、スーパーの駐車場でチャイルドシートに赤ちゃんが1人だけ残されている乗用車を見かけた体験を投稿。約1時間後もまだ赤ちゃんが乗ったままで、注意したところ、夫婦は「寝ているのを起こしたら、かわいそう。真夏でもないのに大げさな」と取り合わなかったという。男性は「屋外に止めた車の中で幼児が熱中症で死亡する事故がよく起きている。好天だと車内温度は想像以上に高くなる。短時間でも幼児を車内に放置しておくのは危険だということをしっかり認識してもらいたい」と訴えている。
式典の長さと熱中症
群馬県の44歳の勤め人は、1969年の投書で、桐生市の小学校のプール開きでPTA役員や地元議員の祝辞が1時間にわたったため、10人あまりの児童が猛暑で倒れたことを指摘。「式が長びいている最中、教職員、PTA役員はだれ一人児童のことを考えなかったのであろうか。ことに役員たちはテントの中で涼を取っていることは非常識もはなはだしく、教育者としての配慮に欠けている」と批判し、屋内での開催や役職員もテントの外で立つよう教育当局に指導を求めている。
男性の日傘と熱中症予防
神奈川県の46歳の主婦は、電車に日傘を忘れ、炎天下を歩くつらさを経験。男性も日傘を使うことを提案し、英国で最初に雨傘を使った男性が変人扱いされた歴史を紹介。「日傘は長時間使っても帽子のように蒸れることなく、有害な紫外線から体全体を守ってくれる。傘の下では体感温度は2~3度下がるという」と効果を説明し、男性用日傘の普及を期待している。
熱中症警告機の活用
埼玉県の63歳の主婦は、息子から父の日・母の日のプレゼントとして贈られた携帯型熱中症警告機を紹介。自動で10分おきに温度と湿度を測定し、「安全」「警戒」など5段階で知らせる。「厳重警戒」や「危険」ではブザーが鳴り、こまめに涼しい部屋で水分を取るようにしているという。
甲子園の秋開催提案
奈良県の69歳の無職の男性は、日本高校野球連盟が導入を検討している7イニング制について、熱中症対策として不十分だと指摘し、甲子園大会の秋開催を提案。「実現には、越えなければならない高いハードルがいくつもあると思う。それでも、100年を超える歴史を有する夏の甲子園。これからも続くように日本高野連として最善の策を探っていただきたい」と訴えている。
倒れた時の周囲の親切
東京都の57歳の自動車学校所長は、1978年の投書で、猛暑の昼下がりに新宿の歩道で倒れた際、多くの人が救護してくれた経験を報告。止血のハンカチをしてくれた男性、身元を確かめ連絡しようとしてくれた若い女性など、周囲の適切な救護に感謝し、「多くの方の善意をわが心とし、ドライバーの卵の育成に微力をそそぎたい」と決意を述べている。担当記者によると、この投稿者がその後亡くなったことが注釈で明かされており、体調が万全でない中で感謝の気持ちを伝えようとした使命感が感じられたという。



