兵庫県が財政悪化により地方債の発行に国の許可が必要となる「起債許可団体」に転落したことを受け、斎藤元彦知事は19日の定例記者会見で、公共事業を抑制しつつ、自らの看板政策である若者支援事業は継続する考えを示した。また、過去の財政運営に問題がなかったかを検証するため、井戸敏三前知事を含む幹部からヒアリングする必要があると指摘した。
公共事業抑制と若者支援の継続
斎藤氏は今後は「公共事業(投資)の一定の抑制はせざるを得ない」と述べた。その上で「直ちに起債(借金)ができなくなる状況ではない。やりくりしながら適切に対応する」とし、行政サービスへの影響を最小限にとどめたい考えを示した。
一方で、県立大の授業料無償化などを念頭に「未来の投資は進めていくべき。特に教育投資、若者支援はしっかりやっていく」と強調した。
過去の会計処理と検証の必要性
過去に発行した県債の一部で地方財政法違反のおそれがある会計処理が見つかったことについては「不透明な運用を続けてきたことの象徴」と指摘。有識者による経緯の検証や再発防止策の検討を行う方針で、そのために井戸前知事や当時の会計責任者らから「ヒアリングをすることは不可欠だ」と述べた。
財政指標と今後の見通し
県は昨年度の決算で、財政規模に占める借金返済額の割合を示す「実質公債費比率」が過去3年平均で19.2%となり、起債許可団体となる基準の18%を上回った。県の試算では、令和13年度にも財政破綻のおそれがある「早期健全化団体」に転落する可能性がある。県が今月中に国に提出する「公債費負担適正化計画」には、公共事業投資を最低でも10%削減することや歳入歳出全般の改革などを盛り込んでいる。



