クロマグロ増加が沿岸漁業者を逆に苦しめる矛盾
日本の沿岸漁業者が、クロマグロの資源回復にもかかわらず厳しい状況に直面している。その背景には、漁獲枠配分の不公平さがある。片野歩氏(Fisk Japan CEO、東京海洋大学特任教授)は、もともとの配分が沿岸漁業者への配慮を欠いていたことが問題だと指摘する。
巻き網漁業の影響と配分の是正が必要
巻き網漁業だけが悪いわけではないが、漁獲圧の高い巻き網船が資源減少に影響を与えた事実を考慮し、沿岸漁業者に配慮した漁獲枠配分が求められる。また、遊漁に対する配分(年間51.4トン)が少なすぎることも問題で、毎月のように月初に枠が埋まり、釣りができなくなる状況が続いている。これではマグロ釣りによる地方経済への貢献が損なわれている。
キャッチアンドリリースの公式認可が鍵
片野氏は、キャッチアンドリリースを公式に認める方法が有効だと提案する。アイルランドなどでは、クロマグロを漁獲せずにキャッチアンドリリースをレジャー産業として認めている例がある。釣りが継続できる枠を配分するか、キャッチアンドリリースを正式に認めるべきだという。
釣り人による資源管理への影響力
プロ釣り師の茂木陽一氏は、2015年から2018年にかけて産卵期のクロマグロ漁に反対する全国的なデモを組織し、漁業会社との対話も行った。これが漁業会社や水産庁の意識を大きく変えるきっかけとなった。片野氏は、個人でも資源管理に影響を与えられる好例だと評価している。
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