気象庁が運用する「気象防災速報(線状降水帯直前予測/線状降水帯発生)」において、5月下旬から情報が適切に発表されない不具合が継続している。SNS上では、最近開始された新たな防災気象情報の提供とシステム切り替えが原因ではないかとの指摘があるが、気象庁はITmedia NEWSの取材に対し「現時点では不明」と回答した。
新たな防災気象情報の提供開始
新たな防災気象情報は、「警報」や「注意報」に警戒レベルを併記するもので、5月28日に従来のシステムから切り替えられ、29日から提供が始まった。しかし、防災気象情報のうち、線状降水帯の発生などが予測された際に出される「気象防災速報(線状降水帯直前予測/線状降水帯発生)」が6月2日から適切に発表されない状況となり、3日午後6時現在も継続中。当面は「全般気象解説情報」で代用するという。
気象庁の担当者は、不具合について「原因究明中で、(システムの切り替えとの関連性についても)現時点では不明」と回答した。原因の特定など進展があれば、気象庁のWebサイトに随時掲載するとしている。
防災アプリ運営会社の懸念
防災気象情報の変更を巡っては、運用開始直前の5月27日、防災アプリ「特務機関NERV防災」を運営するゲヒルン(東京都世田谷区)がアプリのアップデート告知で「運用開始直前のこのタイミングになっても、気象庁側の変更が続いており、市町村対応テーブルが更新されたり、サンプル電文が差し替えられたりしていて、結合テストや実験運用期間もないまま本番運用を迎えることになっているため、この新しい情報体系の運用が始まることに正直大きな不安を感じています」と記し、これがX(旧Twitter)などで話題となった。一部には気象庁の進め方を疑問視する声も上がっている。
システム変更の経緯と今後の見通し
気象庁の担当者によると、新運用に向けた仕様変更自体は2025年12月ごろから進めてきたという。気象庁は「防災情報XMLフォーマット」でXML電文を公開しており、民間の防災アプリなどは任意のタイミングでこれを取得・活用している。担当者は「民間側の事情までは把握できていないが、直前まで電文の構造に関する変更などがあり、取得先のデータの場所が変わったことで対応が大変だった面はあるかもしれない」と述べた。現時点で、今後同様の仕様変更は予定していないという。
関連する防災情報の動き
気象庁は6月17日、最高気温が40度以上の日を「酷暑日」と呼称すると発表した。アンケートと有識者の意見を踏まえて決定した。また、日本郵便は6月1日、熱中症対策を強化すると発表。「熱中症特別警戒アラート」が出た地域では、二輪車などによる配達を原則休止するなど、配達業務の運営を見直す。
さらに、三陸沖の地震で通信各社が災害用伝言サービスを運用開始。20日午後4時52分ごろに三陸沖で発生した震度5強の地震により、通信各社が災害用伝言サービスの運用を始めた。気象庁は避難継続を呼び掛けている。
「大雨警報」から「レベル3大雨警報」へ――気象庁の防災気象情報が警戒レベル併記に。2026年5月下旬から、気象庁は大雨などの防災気象情報を整理し、警戒レベルの数字を付記する新たな運用方針を発表した。



