近年の夏の猛暑は北海道にも押し寄せている。高校野球の試合が行われる球場では暑さ対策に追われ、教育現場ではエアコンの設置も進む。熱中症の搬送者数は増加傾向にあり、夏本番を迎え注意が必要だ。
高校野球応援、暑さと闘う
14日、札幌麻生球場で行われた夏の高校野球南北海道大会準々決勝。スタンドには北海学園札幌高校の全校生徒約1400人が駆けつけ、2時間15分に及ぶ試合中、左右に足踏みしたり跳びはねたりしながら声援を送った。引率教諭が持参した気温計は32度を示していた。熱中症対策として、風通しが良く着脱しやすいジャージー姿で応援し、合間に水分補給をしたり携帯型扇風機を使ったりした。同校では大量の氷や血圧計などを準備し、養護教諭も同行。生徒指導部長の佐藤元幸教諭(54)は「暑さに対し万全の準備をした」と語る。
屋外で長時間のプレーや応援をする高校野球での暑さ対策は、全国で課題となっている。道高校野球連盟は観客へのうちわ配布に加え、今年からベンチ付近に冷蔵庫を設置し、シャーベット状の飲料「アイススラリー」を選手向けに用意するなど対策に余念がない。
記録的高温が3年連続
近年の気温上昇はデータでも裏付けられている。札幌管区気象台によると、北海道の夏(6~8月)の平均気温は、統計が残る1898年以降、10年で0.16度ずつ上昇してきたが、直近30年間に限ると10年で0.93度ずつと、上昇幅が拡大。地球温暖化の影響とみられ、昨年までの3年間の夏の平均気温は平年より2.2~3.7度高く、3年連続の「記録的な高温」となった。今夏も平年より高くなると予想される。
クーリングシェルター倍増、エアコン設置進む
暑さ対策は道内の様々な現場で進む。文部科学省によると、道内の小中学校の普通教室での冷房設置率は、2022年9月時点で16.5%だったが、24年9月時点では82.6%に増えた。札幌市教育委員会は、市立学校全約300校の普通教室での冷房設置を来夏までに完了させる予定で、設置された学校からは「授業に集中できるようになった」との声が寄せられているという。
2024年の気候変動適応法改正で、誰でも涼むことのできる施設を「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」として各自治体が指定する動きも加速。道によると、施設数は同年6月時点で63市町村の528施設だったが、今年6月時点で80市町村の1002施設に倍増した。
熱中症搬送者、高齢者が6割
熱中症による搬送者数も増加している。総務省消防庁によると、過去10年(20年を除き各年5~9月)の道内の搬送者数は、17年以降1000人を超え、23年は3265人に上った。25年の搬送者(2727人)を年齢別でみると、65歳以上が約6割を占めた。高齢者は暑さに対する感覚が鈍く、熱中症のリスクが高い。同庁は、こまめな水分や塩分の補給、日傘や帽子の使用に加え、「周囲の人も気を配り声をかけてほしい」と呼びかけている。
北見で35.9度、今年初の猛暑日
道内は17日、高気圧に覆われてオホーツク地方を中心に各地で気温が上昇し、最高気温が北見市常呂町で35.9度を記録するなど、道内で今年初めて猛暑日を記録した。札幌管区気象台によると、他に35度以上の猛暑日となったのは遠軽町(35.6度)、佐呂間町(35.4度)、津別町(35.1度)の3地点。札幌市中央区は31.1度を記録し、3日連続で30度以上の真夏日となった。道危機対策課のまとめでは、17日は午後3時時点で18人が熱中症の疑いで救急搬送された。



