熱中症調査2026、約2人に1人が経験、対策費平均3,299円
熱中症調査2026、約2人に1人が経験、対策費平均3,299円

ウェザーニューズは8月5日、「熱中症調査2026」の結果を発表した。調査は2026年7月、お天気アプリ「ウェザーニュース」を通じて行われた。

約2人に1人が熱中症を経験

「これまで熱中症になったことはありますか?」という質問に対し、「ある」が50%、「なってない」が50%となり、約2人に1人が熱中症を経験していることがわかった。内訳を見ると、「自己診断」が42%で最も多かった一方、「自ら病院へ」が6%、「救急搬送された」が2%となり、医療機関での対応が必要となるケースも一定数みられた。

男女別では、女性の経験率が54%と男性の50%を4ポイント上回った。また、年代別では50代(55%)と40代(52%)、30代(54%)で経験率が高く、働き盛りの世代でのリスクが高いことがわかった。

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地域別では九州(55%)が最も高く、甲信、中国が続いた。一方、最も低かった北海道でも43%が熱中症を経験しており、涼しい地域でも決して油断はできないようだ。都道府県別では、熱中症の経験が「ある」と回答した割合が最も高かったのは福井県と佐賀県が63%で同率1位、次いで宮崎県となっている。

「熱中症になった場所や状況を教えてください」と質問したところ、職場や屋外作業中だけでなく、「台風による停電でエアコンが止まり室内で発症」(山口県)、「エアコンのない両親の家で」(東京都)といった室内での発症事例も目立った。

熱中症対策費は平均3,299円

「毎年、熱中症対策にかける費用は?」と質問したところ、全国平均は3,299円、中央値は2,500円という結果になりました。最も多かった回答は「0円(費用をかけない)」で29%だった。一方で、「10,000円(上限)」を選んだ人も14%にのぼり、対策費をほとんどかけない人と積極的に投資する人にわかれる傾向が見られた。また、「5,000円」(13%)、「3,000円」(12%)と回答した人も多く、熱中症対策に一定の費用をかけている人も少なくないことがわかった。

都道府県別の平均金額では、島根県(5,517円)、鹿児島県(5,048円)、高知県(4,821円)が上位となった。島根県と鹿児島県は中央値も5,000円と高く、地域全体で熱中症対策への投資意識が高いことがうかがえる。熊本県(4,270円)、愛媛県(4,056円)、沖縄県(3,986円)も全国平均を大きく上回り、西日本や九州・四国で対策費が高い傾向となった。

一方、平均金額が最も低かったのは青森県(2,210円)で、山口県(2,654円)、長野県(2,660円)、三重県(2,669円)、北海道(2,687円)が続きました。北海道と三重県は中央値も1,500円と全国で最も低い結果となった。

熱中症対策は「7月から」が最多

「いつ頃から熱中症対策を始めていますか?」と質問し、「3月から」「4月から」「5月から」「6月から」「7月から」「それ以降」から選択してもらった。「7月から」が39%で最も多く、「6月から」が30%、「5月から」が20%と続いた。5~6月から対策を始める人は合わせて半数にのぼり、本格的な暑さを迎える前から備える人も少なくないことがわかった。

男女別で比較すると、女性は5月から対策を始める割合が27%と男性(17%)を大きく上回り、早めに備える傾向が見られた。

一方、男性は「7月から」が42%と女性(29%)より10ポイント以上高く、本格的な暑さを感じてから対策を始める人が多いようだ。

地域別では、沖縄は「5月から」が47%と突出して高く、暑くなる時期が早い分、早い時期から暑さを意識している様子がうかがえた。一方、北海道では「7月から」が56%で最も多く、気温の上昇に合わせて対策を始める人が多い結果となった。

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なお、環境省は暑さに強い体をつくる暑熱順化(しょねつじゅんか)を推奨している。暑熱順化とは体がしだいに暑さに慣れて暑さに強くなることだが、この暑熱順化を熱中症のリスクを減らすために本格的な暑さが来る前(4月後半~6月頃)に準備しておくことが推奨される。

熱中症対策を考える気温ラインは6割以上が「30℃以上」と回答

「暑さ対策、予想気温が何℃以上だと考える?」と質問したところ、「30℃以上」が65%で最も多く、「25℃以上」が24%、「35℃以上」が10%となった。多くの人が30℃前後をひとつの目安としていることがわかった。地域別では、北海道は「25℃以上」が48%で最も多く、他地域とは異なる傾向となった。

一方、沖縄では「30℃以上」が68%と最も高く、高温環境に慣れた地域ならではの結果となった。西日本や東日本などは「30℃以上」が60%前後になっている。

男女別では、女性は「25℃以上」が37%と男性(24%)を大きく上回り、比較的早い段階から対策を始める傾向が見られた。一方、男性は「35℃以上」が14%と女性(5%)の2倍以上となり、より暑くなってから対策を始める人が多いことがわかった。

寄せられたコメントでは、選択した気温帯に関わらず「湿度」を最も重要な判断基準として挙げる声が圧倒的に多くなった。「30℃でも湿度が高ければ熱中症になる確率は高い。湿度が重要」(熊本県)、「気温以外に湿度も重要。湿度と仕事の運動量、水分補給のタイミング、睡眠時間、体調」(北海道)など、単純な気温だけでなく体感温度や暑さ指数(WBGT)で判断すべきという意識の高さが浮かび上がった。「35℃以上」と回答した人のコメントでも「湿度が高くムシムシしていたら夏日(25℃程度)でも対策する」(愛知県)という声があり、選択した気温はあくまで目安で、実際には湿度を加味して柔軟に判断している人が多くなっている。

「対策はしない」と答えた層からも「数値ではなく体感重視。暑いと感じれば3月や4月でも薄着になる」(岐阜県)、「気温より、日差しと湿気も含めた体感で考える」(千葉県)など、気温だけでは測れない"体感の暑さ"を重視している人が少なくない実態がうかがえた。

職場・学校で、熱中症の危険を感じた経験は?

「職場・学校で、熱中症の危険を感じた経験は?」と質問し、「屋内/屋外の両方である」「屋外である」「屋内である」「経験ない」の中から回答してもらった。全体の63%は、屋外または屋内、その両方で経験「あり」と回答した。細かく見ていくと「屋外である」が34%と最多だったが、「屋内/屋外の両方ある」が17%、「屋内である」が12%と、屋内での危険を感じた人も合わせて29%にのぼり、職場・学校の屋内環境でも熱中症リスクが潜んでいる実態が浮き彫りになった。

年代別では30代が75%と突出して高く、次いで40代(68%)、50代(67%)と続いた。現役世代ほど屋外・屋内を問わず熱中症リスクにさらされている状況がうかがえる。

地域別では九州(72%)が最も高く、屋外での経験が44%と際立って多くなっている。次いで北陸(69%)、東北(68%)と続いた。一方、北海道と沖縄は57%で比較的低くなっている。

職場の熱中症対策義務化、4割は「知らない」

2025年6月から、一定の暑熱環境下(WBGT28以上または気温31℃以上で、一定時間以上行う作業)では、事業者に熱中症対策が義務付けられた。熱中症発生時の報告体制の整備や対応手順の作成、関係者への周知などが義務となっている。

「2025年6月、一定の暑熱環境下で作業を行う職場では熱中症対策が義務化されました。ご存じでしたか?」と質問したところ、「よく知っている」が15%、「ある程度は知っている」が45%となり、認知率は合わせて60%だった。一方、「ほとんど知らない」(22%)と「全く知らない」(18%)を合わせると4割が制度を知らないことがわかった。

年代別では、50代(64%)、60代以上(63%)で認知率が高く、職場で管理的な立場を担う世代を中心に制度の認知が進んでいる。一方、10代は33%にとどまり、若い世代では認知が十分に広がってはいないようだ。

義務化後に職場の熱中症対策は4割が"変化した"

「熱中症対策の義務化以降、ご自身の職場で何か変化はありましたか?」と質問したところ、「はい」が43%、「いいえ」が57%となった。約4割の職場では対策が強化された一方、過半数では義務化後も特に変化は感じられていなかった。エリア別では、甲信・東北(ともに51%)、九州・四国(ともに50%)で「はい」とする回答が多く、対策の強化が進んでいる様子がうかがえる。一方、関東(38%)や近畿(41%)では比較的低い結果となった。

男女別では、男性の「はい」が44%と女性(34%)を10ポイント上回った。

「はい」と回答した人のコメントでは、「ファン付き作業服の着用義務化・配布」が最も多く見られた。他には、「塩飴・麦茶・スポーツドリンクの無料提供」といった水分や塩分補給の強化、「外作業の開始時間を2時間前倒し」、「早朝からの農作業に変更」といった勤務時間の見直しなどが挙げられた。教育現場からは「7月~9月の課外活動を原則禁止」という声もあった。

一方、「いいえ」と回答した人のコメントでは、「以前から対策をしていたので変化はない」という声が多数を占めた。また「在宅勤務なので会社としての対策変化がない」、「個人事業主・一人親方なので自己対応」といった就業形態に起因する回答も見られた。

職場の熱中症対策、評価は二分

「職場で行われている熱中症対策に満足していますか?」と質問したところ、「満足している」が25%、「どちらとも言えない」が50%、「満足していない」が25%となった。満足と不満はほぼ同じ割合で、職場の熱中症対策に対する受け止め方には差があることがうかがえる。

「満足している」と答えた人のコメントでは、「温度も湿度も飲み物も完備」、「調子が悪くなったら逃げ込める冷房部屋があり、経口補水液とアイスノンが用意されている」など設備・対策が充実している声が目立った。

「満足していない」と答えた人のコメントでは、「何も行われていない」、「自己負担」という強い言葉も見られた。また、「扇風機だけでは40℃近くになる職場は耐えられない」、「水分補給する暇がない」、「休憩にならないと水分がとれない。手元にいつでも置けるようにして欲しい」など、環境・運用両面での改善を求める声も多くあった。