海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を用いた予測として、今夏に日本の南に位置する北西太平洋で台風の活動が活発化する可能性があると公表した。地球シミュレータは1月の時点でエルニーニョ現象の発生を予測していた。
予測の詳細
JAMSTECの情報地球科学技術部アプリケーションラボは、地球シミュレータと内部の「SINTEX-F」予測システムを使用し、夏の熱帯低気圧の存在頻度を予測。その結果、日本の南の北西太平洋では、熱帯低気圧の活動が平年よりも活発化するという結果が出たという。
また、アプリケーションラボで開発している別の大気海洋結合モデル「CFES」(Coupled atmosphere-ocean GCM for the Earth Simulator)を使った季節予測システムでも同様の結果が得られた。熱帯低気圧には台風も含まれ、今年は5月末時点ですでに台風発生数が5と平年の約2倍(平年は2.5)。今回の予測は、夏にかけてさらに台風の活動が活発になる可能性を示唆している。
5月初旬時点で予測した夏(6~8月)の熱帯低気圧(台風を含む)の存在頻度の予測。上がSINTEX-Fモデルの結果で、下が同様の図をCFESモデルで書いた図。橙色は平年より存在頻度が増えることを示す(出典:JAMSTECの研究者コラム)。
台風活動が記録的に活発だった2018年には、亜熱帯中部太平洋が平年より暖かかったこと、そして「正のインド洋ダイポールモード現象」が重要な役割を果たしたという研究がある。地球シミュレータは、4月時点で強いエルニーニョ現象の発生とともに、正のインド洋ダイポールモード現象の発生を予測。「この2つの現象が同時発生した2023年は、日本だけでなく全世界で猛暑になり、世界平均気温が観測史上最高を更新した」とも指摘していた。
気象庁の見解
一方、気象庁は6月10日、エルニーニョ監視指数の確率予測が100%になったと公表。「今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)」としている。
気象庁エルニーニョ監視指数の確率予測。6月にかけて全て100%となった(出典:気象庁のWebサイト)。
関連記事:3年前の猛暑再来?JAMSTECの「地球シミュレータ」、エルニーニョと正のインド洋ダイポールモード現象の同時発生を予測。JAMSTECは17日、スパコン「地球シミュレータ」の最新予測結果として、夏にエルニーニョ現象と正のインド洋ダイポールモード現象が同時発生する可能性があると公表。世界的な猛暑となった2023年に近い状況になる可能性がある。
今年は観測史上「最も暑い夏」になるかもしれない――JAMSTECの「地球シミュレータ」、エルニーニョ現象の発生を予測。JAMSTECは、スパコン「地球シミュレータ」を使った最新の予測結果として、今年の夏にエルニーニョ現象が発生する可能性があると公表した。



