2020年7月に全国で義務化されたレジ袋有料化から、2025年7月で5年を迎える。環境省の調査によると、有料化によりレジ袋の使用量は約70%減少したが、家庭から排出されるプラスチックごみの総量はほとんど減っていないことが明らかになった。
レジ袋使用量は大幅減、しかしプラごみ全体は横ばい
環境省が2024年度に公表したデータによれば、レジ袋の年間使用量は有料化前の約300億枚から約90億枚に減少。これは約7割の削減に相当する。しかし、家庭系プラスチックごみの総排出量は年間約200万トンで推移しており、有料化前と比べて有意な減少は見られない。
専門家は「レジ袋削減は確かに成果だが、プラごみ全体に占めるレジ袋の割合は約2%に過ぎない。他のプラスチック製品の削減が進まなければ、全体のごみ量は減らない」と指摘する。
容器包装リサイクル法の課題
日本では、プラスチックごみの約6割が容器包装類だ。レジ袋以外にも、食品トレーやペットボトル、ラップなどが大量に廃棄されている。容器包装リサイクル法に基づく分別回収は進んでいるが、リサイクル率は約25%にとどまる。
環境省の担当者は「レジ袋有料化は意識改革の第一歩だったが、次のステップとして、使い捨てプラスチック全般の削減や、リサイクル促進策を強化する必要がある」と語る。
海外の動きと日本の遅れ
欧州連合(EU)は2021年から使い捨てプラスチック製品の規制を強化。ストローやカトラリーなどの販売を禁止し、2025年までにペットボトルのリサイクル率90%を目標に掲げる。一方、日本では2022年にプラスチック資源循環促進法が施行されたが、規制ではなく事業者の自主的な取り組みに委ねる部分が大きい。
東京都の調査では、レジ袋有料化後、約8割の消費者が「エコバッグを持ち歩く習慣がついた」と回答。しかし、同時に「他のプラスチック製品の使用を減らすようになった」と答えたのは約3割にとどまった。
今後求められる対策
環境省は2025年度中に、プラスチック製品の製造・販売事業者に対する使用量の報告義務化や、リサイクル設計の促進などの追加策を検討している。また、自治体によっては、家庭ごみの有料化や分別強化を進める動きもある。
「レジ袋有料化は大きな成果を上げたが、それだけでは不十分。私たちが日々使うプラスチック製品の在り方を根本から見直す時期に来ている」と、環境NGOの代表は強調する。



