政府は13日の閣議で、東京電力福島第一原子力発電所に保管されている処理水について、浄化・希釈した上で海洋放出する方針を正式決定した。放出開始はおおむね2年後を見込んでおり、安全性の確保や風評対策を進めるとしている。
処理水は、2011年の原発事故後、原子炉の冷却などに使われた水が浄化処理を経てタンクに貯蔵されてきたもの。敷地内のタンク容量は限られており、廃炉作業を進める上で処理水の処分が課題となっていた。
浄化・希釈のプロセスと安全性
政府の計画では、トリチウム以外の放射性物質を除去した上で、海水を加えて濃度を基準値未満に薄めてから放出する。トリチウムは放射性物質の一種で、分離が技術的に難しいため、希釈によって基準値を下回る濃度にする方針だ。
放出される水の放射性物質の濃度は、法令で定められた基準を満たすとされており、政府は監視体制を整えるとしている。また、漁業関係者などのイメージ低下を防ぐため、水産物の販路拡大などに取り組むことも表明した。
国内外の反応
一方、福島県内の漁業者は、過去の風評被害を理由に処分方法の変更に反対している。近隣の中国や韓国も懸念を示し、政府は引き続き説明と対話を行う方針だ。
国際原子力機関(IAEA)は、日本の対応を国際的な慣行に沿ったものとして歓迎しており、今後、放出開始前に安全面の協力を行うことを表明している。



