オカヤドカリが種子運び、植物生態系の保全に貢献 神戸大教授が発表
オカヤドカリが種子運び、植物生態系の保全に貢献 神戸大教授が発表

沖縄県の石垣島に生息する国の天然記念物「オカヤドカリ」が、植物の果実を食べて種子を周辺に運んでいることが、神戸大の末次健司教授(植物生態学)の発表で明らかになった。種子の運び役としては風や鳥、昆虫が知られていたが、ヤドカリで確認されたのは初めて。論文は国際科学誌に掲載された。

リュウキュウツチトリモチとの関係

植物は、沖縄地方の海岸近くの森林などに生育する「リュウキュウツチトリモチ」。他の植物の根に寄生し、3センチほどのキノコのような形の花だけを地上に出して、極小の果実(約0.3ミリ)を大量につける。風通しが悪い場所に分布するため、風による種子散布は難しいと考えられていた。

末次教授は2024~26年、石垣島に自生するリュウキュウツチトリモチを観察し、主にオカヤドカリが果実を食べていることを確認した。

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種子散布のメカニズム

食べた後のヤドカリの体には大量の果実が付着し、フンからも発芽能力が保たれた種子が多数見つかった。ヤドカリが森林を歩き回ることで、種子を散布していることを突き止めた。

オカヤドカリは観賞用として人気があり、高額で売買される。沖縄本島や奄美大島では密猟が相次いでおり、末次教授は「オカヤドカリを保全することは、関係する植物や地域の生態系を守ることにもつながる」と話している。

専門家の評価と背景

北村俊平・石川県立大准教授(植物生態学)は「オカヤドカリの新たな役割を解明した意義深い成果だ。密猟にさらされている生物の保護を考えるきっかけにもなってほしい」と話している。

オカヤドカリは、大きさ2~5センチほどの陸生ヤドカリで、南西諸島などに分布する。個体数減少に伴い、1970年に国の天然記念物に指定された。

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