福岡市の水族館「マリンワールド海の中道」は、絶滅の恐れが高いとされるウミガメの一種「タイマイ」を保護し、この夏、福岡県福津市の浜から放流した。同館には衰弱して海岸に打ち上げられたり、漁網にかかったりしたウミガメが年に数匹持ち込まれるが、回復例は少なく、放流までこぎ着けたのは2年ぶりという。
衰弱した個体を保護、治療で回復
同館によると、今回保護したタイマイは2月、佐賀県の伊万里湾に浮いて衰弱しているのを漁業者が見つけた。生後2年ほどで、低体温で肺炎なども併発していたことから、同館は抗菌薬注射や点滴などの治療にあたり、室温を25度に保った部屋で養生した。
1週間ほどすると、イカやキビナゴの切り身を食べるまでに回復。さらに、約5か月間で甲羅は数センチ成長し、長さ約29センチ、幅約23センチに、体重は約2倍の約2・5キロとなった。このため、同館は海水温が高く生息域の環境に近い時期を選び、7月24日に福津市の浜に放した。
過去の保護事例と放流場所の変更
同館は、これまでもウミガメを保護してきた。福岡近海でのウミガメの漂着情報は2019年以降で計46件寄せられており、タイマイも12件あった。ただ、冬季の発見が多く、既に死んでいたり、保護しても回復しなかったりすることもあり、放流は今回で13例目。元々は保護した場所で放流していたが、漁網にかかり再び保護するケースがあったため、19年からは放流地を福津市に移した。



