健康長寿を目指す上で、ウォーキングは有効な手段の一つだ。作業療法士の荻野秀一郎氏は「ウォーキングは健康な体作りに効果的なだけでなく、ちょっとした工夫でドーパミンも放出され、心も健康になる」と指摘する。本稿では、荻野氏の著書『1日15分健康ウォーキング』(高橋書店)から、ウォーキングの最適な時間帯や注意点を紹介する。
ウォーキングは朝が最適な理由
荻野氏によれば、ウォーキングに最適な時間帯は朝だ。朝のウォーキングは、体内時計をリセットし、夜の睡眠の質を向上させる効果が期待できる。また、日光を浴びることでビタミンDの生成が促され、骨の健康にも寄与する。一方、夜のウォーキングは、就寝直前の激しい運動が交感神経を刺激し、かえって睡眠を妨げる可能性があるため注意が必要だ。
ウォーキング前の体調チェックが重要
ウォーキングを始める前には、自身の体調を確認することが欠かせない。雨や風の強い日、積雪時は転倒リスクが高いため、無理をせず中止するか、屋内での「おうちウォーキング」に切り替えるべきだ。猛暑日には熱中症のリスクがあるため、炎天下を避け、早朝や夕方に時間をずらして歩くことが推奨される。
風邪気味、頭痛、めまいなどの体調不良がある場合は、思わぬケガにつながる恐れがあるため、ウォーキングは控える。高血圧や糖尿病などの持病がある人は、出発前後に体温や血圧などのバイタルサインを確認することが大切だ。歩行中に息切れや動悸を感じた場合は休憩を取り、5~10分経っても症状が改善しない場合は中止する。また、足や腰に痛みが生じた場合も、痛みの種類によっては歩かない方が良いため、症状が深刻な場合は中止すべきだ。
「歩きスマホ」は絶対にNG
ウォーキング中の安全確保も重要だ。住み慣れた自宅でも段差や滑りによる転倒リスクがあるが、屋外ではそのリスクがさらに高まる。ウォーキング中はわずかな凹凸でもつまずく可能性があるため、よそ見をしないことが大切だ。音楽を聴きながら歩く場合も、車や人通りの多い場所では控え、河川敷や公園など安全な場所で聴くようにする。
「ながらスマホ」や「歩きスマホ」は周囲への注意力を散漫にし、事故の原因となるため絶対に避けるべきだ。歩行中に「息が上がってきた」「鼓動が速い」「頭が痛い」などの体調不良を感じたら、すぐに休憩し、症状が改善しない場合は中止する。天候が急変した場合も、無理に続けてはならない。
ウォーキングを習慣化するコツ
ウォーキングを継続するためには、目標設定が有効だ。短期目標と長期目標を組み合わせ、歩数計アプリを活用して進捗を可視化することで、モチベーションを維持しやすくなる。また、無理のない範囲で毎日続けることが、健康効果を最大限に引き出す鍵となる。
荻野氏は「ウォーキングは、適切な時間帯と正しい方法で行えば、睡眠の質向上や骨強化など、多くの健康メリットをもたらす」と強調する。朝のウォーキングを取り入れ、安全に配慮しながら、健康的な生活を目指してみてはいかがだろうか。



