政府の地震調査委員会は14日、南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率を従来の「60~70%」から「70~80%」に引き上げた。同委員会が同日公表した「南海トラフ地震の長期評価(改訂版)」で明らかにした。前回の評価(2023年1月公表)から約2年半ぶりの見直しとなる。確率上昇の背景には、地震活動や地殻変動の観測データの蓄積に伴う評価手法の高度化があるという。
発生確率の内訳と試算方法
新たな評価では、今後10年以内の発生確率は「最大30%」と試算。20年以内では「最大60%」、50年以内では「90%程度」としている。これらの数値は、過去の地震発生間隔やプレート境界の固着状況などを基に、統計モデルを用いて算出された。地震調査委員会の平田直委員長は記者会見で「確率が上がったことは、地震への備えをより一層強化する必要性を示している」と述べた。
長期評価の改訂点と今後の防災対策
今回の改訂では、想定震源域のうち、東海・東南海・南海の3つの領域が連動して破壊される「連動型地震」の確率も個別に評価。連動型の30年確率は「10~20%」とされた。また、1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震の震源域が単独で破壊されるケースは、それぞれ「10%程度」と試算された。政府はこの評価を受け、自治体や住民への周知と防災対策の促進を図る方針。内閣府は「想定震度や津波高の見直しには直結しないが、地震発生の切迫性が増したと認識すべきだ」とコメントしている。



