アジ釣り船でクロダイ急増、東京湾生態系に異変 温暖化の影響か
アジ釣り船でクロダイ急増、東京湾生態系に異変

アジ釣り船でクロダイが釣れ始める

横浜・元町中華街駅から海へ向かう路地には、戦前から営む老舗を含む釣り船店が並ぶ。週末の早朝6時ごろから、多くの釣り人で賑わいを見せる。筆者も20年ほど前から仲間とともにアジ釣りを楽しんできた。アジ釣り半日船では、3時間で平均10~20匹、多い時で50匹以上の釣果があり、年間を通じて安定した釣りが魅力だ。

しかし数年前から異変が起きている。アジ釣り船でクロダイが釣れ始めたのだ。一方、海底に生息するカレイ類はまったく見られなくなった。筆者が初めてクロダイを釣り上げたのは2024年2月。護岸から5メートルほどの場所で、竿先が水中に引き込まれ、リールが逆回転。格闘の末、体長40センチ弱のクロダイが上がってきた。アジ用の仕掛けでは簡単に釣れず、糸を切られることもあるが、2024年以降も冬から春先にかけて仲間がポツポツと釣り上げている。釣り船の船長は「温暖化という環境がクロダイに適しているのだろう」と語る。

水温上昇と貧酸素水塊が底生生物を直撃

東京湾の生態系は急速に変化している。海水温の上昇に加え、貧酸素水塊の発生が底生の生き物に深刻な打撃を与えている。カレイ類の減少はその一例だ。クロダイは高水温に強く、酸素濃度が低い環境でも耐えられるため、優位に立っていると見られる。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

一方、全国のクロダイ漁獲量は減少傾向にある。環境省のデータによると、クロダイの漁獲量はピーク時に比べて減少しており、東京湾でも同様の傾向が確認されている。温暖化による海水温上昇がクロダイの生息域を変え、漁獲量に影響を与えている可能性がある。

クロダイの味の実力と天然マダイとの違い

クロダイはマダイとは異なる味わいを持つ。マダイは身が引き締まり上品な甘みがあるのに対し、クロダイは脂の乗りがよく、濃厚な風味が特徴だ。釣り上げたクロダイを刺身で食べると、コリコリした食感とほどよい脂が楽しめる。ただし、大きさや時期によって味が変わるため、釣り人によって評価が分かれる。

東京湾の生態系の変化は、釣り人だけでなく漁業関係者にも影響を与えている。温暖化の進行に伴い、今後も新たな魚種の出現や既存種の減少が予想される。釣り船店の船長は「この先、東京湾で何が釣れるか分からなくなってきた」と話す。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ