少子化対策に欠けた視点:無子率抑制が出生率回復の鍵
少子化対策に欠けた視点:無子率抑制が鍵

独身研究家の荒川和久氏が、少子化問題の本質に迫る連載。今回は、都道府県別のデータから見える少子化の構造を解説する。出生率低下の大きな傾向は全国共通だが、地域ごとに異なる要因を把握することが対策の第一歩だと主張する。

都道府県別に見えてきた構造の違い

2015年を起点に2024年までの間、各都道府県で無子率(子供を持たない女性の割合)、CPM(有配偶出生率)、TFR(合計特殊出生率)の変化を一覧にした表が示された。TFRの減少幅が小さい上位10位は、無子率の上昇が小さい地域で占められている。特に福井県と奈良県は無子率の上昇が10%ポイント以内に抑えられており、TFRの低下も相対的に小さい。しかし、CPMの上昇幅は福井が28位、奈良が27位と決して高くない。

一方、TFRの落ち込みが最も大きい福島県は、CPMの上昇が17位と全体の半分より上であるにもかかわらず、無子率の上昇が最大で最下位となっている。東京都はTFRが全国最下位だが、CPMは改善されているものの、無子率の大幅な上昇が要因だ。東京は未婚人口が多いため、初婚率をさらに上げる必要があると指摘する。

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無子率とTFRの強い負の相関

無子率とTFRの相関係数は-0.8532と極めて強い負の相関を示す一方、CPMとTFRの相関係数は0.1344とほぼ無相関だ。つまり、TFRの改善には無子率をいかに低く抑えるかが重要であり、第二子・第三子の促進だけではTFR上昇に寄与しないことが明確になった。

次ページでは、20代の初婚率低下が最大の要因であると分析する。

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