全国でクマによる人身被害が相次ぐ中、山形県山辺町のニット製造会社「鈴治(すずはる)」が、軽くて破れにくいニットの防護服を製作した。警備服で培った防刃技術を生かした製品で、自治体や猟友会に活用を促している。
開発の経緯と製品の特徴
同社は、県内でクマ被害が続いた昨年、約20年の実績がある防刃生地を対策に生かせないかと開発に着手。ジャケットとベスト、顔や首を守る覆面型の帽子とネックガードを今年6月に完成させて町に寄贈したところ、ズボンも求められて7月に追加で製作した。
防護服の素材は、合成樹脂などが原料の伸縮性のない繊維を高密度で編んでおり、ジャケットは約900グラムと比較的軽く、速乾性にも優れている。同県工業技術センターによる耐久性の実験では、一般的な衣料品の5倍程度の約10万回の摩擦試験に耐えた。
実績と今後の展望
同社の鈴木一夫会長(84)は「ハサミでも簡単に切れないほどの強度がある。現場で働く人たちに使ってほしい」と話した。
県内外の自治体からも問い合わせがある。防護服のサンプルを取り寄せた新潟県鳥獣被害対策支援センターの担当者は「着用時の動きやすさや作業性を見て、猟友会などに情報提供していきたい」と話した。



