W杯で急増する詐欺被害、偽配信やチケット詐欺に注意 専門家が警告
W杯で急増する詐欺被害、偽配信やチケット詐欺に注意

ワールドカップの開催期間中、サイバー犯罪が急増している。偽のライブ配信サイト、格安チケット販売、フィッシングメールなど、巧妙な手口で観戦者や企業を狙う詐欺が横行。専門家は「試合を観ているだけでも危険」と警鐘を鳴らす。

急増する詐欺の手口

サイリーグホールディングスの事業統括ディレクター、南部弘毅氏によると、ワールドカップ関連の詐欺は多岐にわたる。代表的なものとして、「無料で試合が見られる」と謳う偽ストリーミングサイトや、「格安チケット」「限定販売」を宣伝する偽チケット販売ページ、SNSや広告を経由したグッズ販売詐欺、そして「当選」や「キャンペーン」を装ったフィッシングメールが挙げられる。

特に視聴者向けの偽配信サイトでは、「無料ライブ配信」「日本語実況あり」「見逃し配信」「限定ハイライト」といった誘い文句で利用者を誘導し、視聴のためにアカウント登録やクレジットカード情報の入力を求めるケースがある。場合によっては、専用アプリやブラウザ拡張機能のインストールを促され、端末内の情報を盗まれたり、不正なプログラムを仕込まれたりするリスクもある。

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チケットについても注意が必要だ。FIFAは、公式販売ルート以外で購入したチケットについて、詐欺や無効チケットなどのリスクがあるとして、FIFA.com/ticketsを通じて購入するよう案内している。

被害の実態と日常的な危険性

こうした詐欺サイトや不正な販売ページを通して、クレジットカード情報やログイン情報が盗まれたり、代金を支払っても商品が届かないといった被害が発生している。重要なのは、これらが「特別な行動」ではなく、日常の延長線上で起きている点だ。自宅で観戦するために配信を探す、グッズを購入する、SNSで情報をチェックするといった行動そのものが、攻撃の入り口になっている。今や、「観ているだけ」の人でも被害に遭う可能性がある。

なぜ大規模イベントで詐欺が増えるのか

この現象は偶然ではない。ワールドカップのような大規模イベントには、サイバー犯罪が成立しやすい条件がそろっている。

第1に、検索やSNSでのトラフィックが爆発的に増える。「チケット」「配信」「試合予定」などの検索が集中することで、偽サイトへの誘導が容易になる。

第2に、金銭が動く。チケット、宿泊、グッズ、配信サービスなど、決済を伴う機会が増えるため、攻撃者にとって収益化しやすい。

第3に、「急ぐ心理」が働く。チケットはすぐ売り切れる、限定商品を逃したくない――こうした焦りが、冷静な判断を鈍らせる。こうした条件が揃うことで、ワールドカップのような大規模イベントは、通常よりも詐欺の成功確率が高い環境となる。

企業への影響と今後の対策

詐欺被害は個人だけでなく、企業にも影響を及ぼす。偽サイトによるブランド毀損や、従業員がフィッシングメールに引っかかることで企業の情報が漏洩するリスクもある。南部氏は「ワールドカップは象徴にすぎない。どんな大規模イベントでも同様のリスクがある」と指摘し、常に警戒を怠らないよう呼び掛けている。

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