台風25号が関東に最接近してから1週間となった28日、千葉県では運休が続くJRの各路線でバスによる代行輸送が始まり、早朝から通勤客や高校生らが長い列を作った。運休が3か月程度続く見通しの内房線・姉ヶ崎(市原市)―木更津間では必要な台数を確保できず、代行輸送の実施が見送られた。
「復旧に1か月かかると聞いた時はどうしようかと思ったが、代行バスが出てほっとしている」。同県佐倉市内の職場に出勤するため、総武線成東駅(山武市)前のロータリーで午前6時半の始発バスを待っていた公務員の男性(24)は安堵の表情を見せた。
代行輸送の状況
大雨による線路への土砂流入などで、県内のJRは総武線・八街―成東間のほか、内房線と成田線の一部区間と久留里線の全線で運休が続き、1日あたり計約7万8000人に影響が出ている。
28日から代行輸送が始まったが、観光シーズンと重なっている上に、愛知・名古屋アジア大会で選手の輸送用に多くのバスが使われていることもあり、確保できたバスは全体で30台ほど(27日時点)。運行は各路線とも数時間に1本程度で、JRは他路線の利用やテレワーク実施などを呼びかけている。
内房線の見送りと影響
一方、内房線は利用人数が多いため、バスでは輸送しきれないとして運行が見送られた。運休中の姉ヶ崎―木更津間のピーク時(午前6~9時)の利用者は約8000人で、確保した全てのバスを投入しても1時間あたり400~500人しか輸送できないという。
利用者には高校生も多く、内房線沿線の木更津総合高校(木更津市)、県立袖ヶ浦高校(袖ケ浦市)は通学の足が確保できていないとして、28日は休校とした。県立木更津高校(木更津市)では、全校生徒の約3分の1にあたる300人強の登校に影響が出ており、対面とオンラインによる授業を併用している。
こうした中、東京湾アクアラインを経由して東京方面に向かう高速バスの利用が増えている。木更津から高速バスを運行する日東交通(木更津市)は4台を臨時で増便した。
東京都内の会社に出勤するため木更津駅で高速バスを待っていた会社員の男性(60)は「車での通勤は現実的ではないので、高速バス以外は手段がない。定期券の購入を考えている」と語った。
今後の見通し
JRは、久留里線の一部で10月3日、成田線で同4日、総武線で同月下旬までに運転を再開させる方針だ。一方、内房線は姉ヶ崎―長浦(袖ケ浦市)間の5か所で線路に土砂が流入し、土砂の除去や破損した電柱、線路などの修繕に時間がかかるという。