交通安全に尽力、事件捜査にも辣腕 深川署交通捜査係長・寺田直樹警部補(52)
交通安全に尽力、事件捜査にも辣腕 深川署交通捜査係長

子供のころ、家族と観戦していた箱根駅伝のテレビ中継で、白バイ隊員が端然と進む姿に心を奪われた。「首都東京の警察官になりたい」。高校卒業後の平成5年、警視庁に入庁した。

白バイ隊員への道

初任地の蔵前署では、白バイ隊員を目指して実績を積み上げた。懸命な姿勢が認められ、配属から2年ほどで白バイの登竜門とされる訓練所に推薦される。訓練初日、夢だった白バイの存在感に圧倒された。転倒すれば、起こすことも難しいほどの重さだ。

「思い出したくもない」というほどの厳しい指導で、乗り方を身体にしみ込ませた。両脚は常にバイクの側面につける、背筋を正す、乗る前には毎日ワックスがけを欠かさず自車を愛する―。取り締まる側だからこそ忘れてはならない基本だった。1カ月の猛特訓の末、晴れて白バイ隊員の資格を手にした。

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箱根駅伝での運転と感謝の言葉

19年に赴任した第1方面交通機動隊では、箱根駅伝での白バイ運転がかなった。神奈川県の鶴見から都心の大手町を走る10区の大通りの中心で愛車にまたがり、「テレビで見てきたコースだ」と言葉にならない喜びをかみしめた。

取り締まりで憎まれることも多い交通警察人生で忘れられない瞬間があった。白バイ隊員として信号無視の車を取り締まると、高齢の運転手は「これで事故を起こさずに済む」と感謝の言葉を口にした。「やってきたことは間違っていない」と再確認できた。

事件捜査での辣腕

事件捜査でも辣腕をふるう。交通捜査課時代、歩行者が車にはねられて亡くなった事故の捜査が難航した。現場周辺の防犯カメラは乏しかったが、「絶対に早く見つけなければ」との思いで、粘り強くカメラを探した。ようやくたどりついた1台のカメラに、逃げ去るトラックが捉えられていた。遺族に解決の報を伝えることができた。

昨年から深川署交通捜査係長。仕事には妥協を許さず、「部下からは煙たがられていると思いますよ」と笑うが、後進の指導に心を砕く姿勢は誰もが認める。わずかな情報を端緒に捜査を重ね、管内の豊洲市場を巡る無許可運送事件を摘発し、「正直者がバカを見る社会にはしたくない」との信念を体現した。

「与えられた仕事を頑張りたい」。受章への感想にも、仕事ぶりと同様に実直さがにじんだ。

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