王子動物園のSL「デゴイチ」、半世紀ぶりに生まれ故郷・下中島公園へ移設
王子動物園のSLデゴイチ、生まれ故郷の下中島公園へ移設

神戸市立王子動物園(神戸市灘区)で半世紀以上にわたって展示され、「デゴイチ」の愛称で親しまれてきた蒸気機関車(SL)が9日、JR鷹取駅近くの下中島公園(同市須磨区)に移設された。公園はSLが製造された工場跡地に隣接しており、〈生まれ故郷〉へと帰った。

戦禍を逃れて約180万キロを走行

移設されたSL「D51 211号」は1938年に旧鉄道省鷹取工場の第1号車として製造された。市によると、戦禍を逃れて71年までに地球45周分にあたる約180万キロを走ったという。同年、市が旧国鉄からの無償貸与を受けて動物園に展示した。

動物園を含む王子公園の再整備に伴い、SLの移設が決定。現在の所有者、JR西日本にも了承を得て工場跡地と隣接する下中島公園に移すこととなった。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

工場跡地を生かした憩いの場に

工場跡地は「妙法寺川左岸公園」として整備され、本物の線路や車輪、鉄道をモチーフにした遊具がある。隣の下中島公園にSLを設置することで、より多くの市民らが集う憩いの場になることを目指す。

市は9日、全長約12メートル、重量69トンにも及ぶ機関車をクレーンでつり上げ、トレーラーに載せて移動させた。前日には炭水車と客車に改修された車掌車2両も移していた。来春まで塗装などの新装工事を行い、完成後は車掌車に人が入って休憩できるようにする。

特別観覧で別れを惜しむファン

移設準備でフェンスに囲われるのを前に、5月16、17日には特別観覧があり、386人が駆けつけた。参加した明石市の男性会社員(64)は「工場があった時代を知っているので生まれた場所に帰るのは感慨深い。SLの新たな聖地になってくれたらうれしい」と話していた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ