熊本地震の被災地で、乳児用の液体ミルクが注目されている。粉ミルクと違いお湯が不要で、災害時に役立つとされる。2016年の熊本地震や西日本豪雨でも話題になったが、今回の地震では必要とする人々に届いたのだろうか。
断水続く氷川町、粉ミルクしか配給されず
震度7を観測した熊本県氷川町では、地震直後から断水が続き、5日時点でも完全復旧には至っていない。町内で2児を育てる母親(38)は、生後半年の子どもをミルクのみで育てている。災害時に液体ミルクが役立つと聞き、常備していたが、数日で使い切ってしまう量だった。
今回の地震で在宅避難を余儀なくされ、断水の中でも粉ミルクを使わざるを得ない状況に。飲料水は何とかあるが、哺乳瓶を洗ったり消毒したりする水が不足している。やむを得ず実家の井戸水を使うが、「これでいいのか……」と衛生面の不安が募る。
民間団体から液体ミルク届くも、量は限定的
知人の伝手で3日、民間団体から支援物資として液体ミルクを受け取った。「ありがたい。もし避難所に行っても、おなかがすいて大泣きしている子どもをよそに粉ミルクを溶かして冷ましている余裕はなく、断水しているのでそもそも水もない。災害のときは、水が要らない液体ミルク一択だと思いました」と話す。
ただ、残りには限りがあり、追加で手に入るかは不明。「水と同じぐらい当たり前に配給物資として置いてほしい」と訴える。
6児の母も困惑、看護師の視点から
同じく町内で6人の子どもを育てる看護師の窪田美穂さん(40)の末っ子は生後3カ月。被災した実家の片付けで自宅を空ける昼間はミルクをあげたいが、断水が続く。町の配給物資に粉ミルクが少し入っていたが、「水がないと溶かせんし、洗えんし、消毒できんし、どぎゃんせんといかんと?」と困惑。貴重なペットボトルの飲み水を使って消毒している。
氷川町では10年前の地震でも同様の問題が指摘されていたが、今回も課題が浮き彫りになっている。



