熊本地震、警視庁派遣部隊が「初の現場」と振り返る過酷な救助活動
熊本地震、警視庁派遣部隊が「初の現場」と振り返る

熊本県で最大震度7を観測した地震の被災地への派遣を終えた警視庁の警察官が、産経新聞などの取材に応じ、現地の過酷な状況の中での活動を振り返った。「現在進行形で損傷が進む初の現場」という被災住宅や、爆発事故が発生して危険な状況の商業施設で救助・捜索活動に従事した警察官らを突き動かしたのは、「助けを求めている人がいるかもしれない」という強い責任感だった。

「サウナ内で運動するよう」な過酷な現場

熊本地震発生翌日の7月29日午後、同県八代市田中北町の住宅に、警視庁災害対策課の特殊救助隊員4人が出動した。特殊救助隊は災害時に派遣され、被災住民の救助に当たる部隊だ。同課の三橋秀匡警部補(45)は現場の状況にがくぜんとした。住宅で90代の男性が、建材の下敷きになっているとの出動要請だったが、建物は大きく傾いて倒壊の恐れさえあった。

男性がいたのは1階部分。家屋内に入って2階の床面に穴を開け、はりを取り除くなどの作業が求められた。家屋内は「サウナの中で運動しているような暑さ」(三橋警部補)。しばしば余震にも見舞われた。屋根が落ちないように補強しながらの慎重な作業も求められた。

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これまで東日本大震災や能登半島地震などの被災地に派遣されたことがある三橋警部補にとっても「ここまで同時進行で損傷が進む現場は初めてだった」。

警備犬も出動、爆発事故の現場で捜索

今回の地震では災害対応や大規模警備で活動する「警備犬」も現場に出動した。警備2課の吉田裕巡査部長(35)は30日午後、警備犬の「クヴァス号」「クセノファネス号」、そのハンドラーとともに、爆発事故が発生した「イオンモール熊本」(嘉島町)に赴いた。

2頭に保護用のドッグシューズを着用させて入った現場は、コンクリートやガラスの破片、鉄骨などが散乱していた。面影をとどめず「1階も2階もない状況だった」。捜索中に屋根から建材が落ちてきたこともある危険な環境だった。

ともに救出活動に臨んだ熊本県警の鑑識課員がさびしげに語るのが聞こえた。「子供とここにぬいぐるみを買いに来ていたんですよ」。

3日間にわたって捜索活動を実施し、見落とした要救助者はいないことを確認した。猛暑で犬の体調に配意しつつの活動だったが、「助けを求めている人がいるかもしれない」とハンドラーたちは前へ進み続けた。

「不便な生活が続いているが、少しでも日常を取り戻してほしい」。離れてもなお、吉田巡査部長は被災地を思い続けている。

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