支援物資の仕分けで混乱、簡易ベッド1週間届かぬ避難所も
支援物資の仕分けで混乱、簡易ベッド1週間届かぬ避難所も

最大震度7を観測した熊本地震は11日で発生から2週間を迎えた。今も6000人あまりが避難生活を続ける中、政府は食料などの物資を被災自治体の要請を待たずに送る「プッシュ型」の支援を展開している。避難所の環境改善が期待される一方、人手不足から物資を適切にさばけず、避難者に行き届かない問題も一部で発生。状況は改善傾向にあるとされるが、同様の目詰まりは災害のたびに課題となっており、専門家は民間事業者との連携強化の必要性を訴える。

集積所では仕分け作業に追われる

震度7を観測した熊本県氷川町の物資集積所では、「玉名市」や「高森町」といった自治体のビブスを着用した職員が、人の背丈以上に積み上がった段ボールの仕分けや搬出作業に当たる。氷川町の担当者は「現時点では避難所の物資は足りているが、置き場所の確保やマンパワーが一番大切だと痛感した」と語る。

地震発生から3日間は人手不足で混乱を極めた。集積所には次々と物資が届くが、それを積み込む台車がない。職員総出でトラックからバケツリレー方式で搬入。何が届き、何を避難所に送り出したか正確な把握も難しかった。

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避難者には簡易ベッドが1週間届かず

届かぬ支援に被災者も困惑した。宇城市の避難所に身を寄せる男性(73)の元に簡易ベッドが届いたのは地震から1週間以上が過ぎた今月6日。それまでは段ボールを床に敷いて過ごし、「腰が痛く、年寄りにはきつかった。なぜ今になって届いたのか気になる」と話す。

宇城市の集積場では次々と入ってくる物資を管理するスペースが足りなくなり、2日から受け入れを停止。いったん再開したが、7日からまた止めている状況だという。

プッシュ型支援の課題と専門家の指摘

プッシュ型支援は、東日本大震災で物資が迅速に行き渡らなかった反省を踏まえ、10年前の熊本地震で本格実施された。食料や毛布などの8品目を基本に、被災地の状況に応じて必要な物資を輸送する。ただ、車両や人手が不足し、「ラストワンマイル」と呼ばれる避難所までの最終工程の輸送が滞ったり、道路寸断で物資が被災者に届かなかったりする問題が繰り返されてきた。

内閣府の担当者は、今回も同様の問題が起きているとの認識を示し「役所も被災しており、混乱の中でのニーズの把握はどうしても困難になる」と説明。今後、対応を検証する考えを示した。

流通経済大の矢野裕児教授(物流論)は「行政職員だけに物資の受け入れを任せるのには無理がある」と指摘する。被災地では、発生直後のプッシュ型から自治体の要請に応じて品目を送る「プル型」へと支援態勢が移行していくと見込まれる。矢野氏は今後、細かな在庫管理やニーズ対応に強みがある民間の物流事業者に入ってもらうとともに、「行政と物流事業者は平時から協力体制を築き、備えを進めるべきだ」と話した。

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