国土交通省は、災害時の給水体制を強化するため、海や川の水を飲料用に浄化する「可搬式浄水装置」の購入費補助の対象を市町村にも拡大する方針を固めた。あわせて、水道管の耐震化への補助要件も緩和する。2027年度予算案の概算要求に関連経費を盛り込む。
可搬式浄水装置とは
可搬式浄水装置は、海水や地下水、河川の水を濾過して浄化し、飲料水にする装置で、処理能力は1時間に2000リットル程度。トラックで運搬できる。
熊本地震では、7月28日の地震で熊本県などで最大10万戸超が断水。独立行政法人「水資源機構」(埼玉県)が保有する1機が熊本県氷川町に送られ、井戸水を浄化して飲料水や生活用水に使われた。石川県珠洲市は、2024年の能登半島地震をきっかけに3機を導入し、浄水場が復旧していないため現在も活用している。
補助制度の拡大と耐震化促進
国交省は2025年度、能登半島地震で断水が長期化したのを踏まえ、都道府県を対象に、可搬式浄水装置(1機あたり数千万~1億円程度)の購入代金の3分の1を補助する制度を導入した。真夏に起きた熊本地震では飲料水の確保が命に関わる重大な問題となったことから、来年度から補助対象を市町村にも拡大し、導入を促す考えだ。
水道管の耐震化率の向上も進める。耐震管の設置を進める自治体への国庫補助(設置費用の3分の1)について、整備事業の規模要件を緩和して適用範囲を広げる方針。全国の病院や避難所、市役所など災害時の対応拠点となる重要施設に接続する水道管の耐震化率は47%(2025年3月時点)にとどまる。
国交省は、2027年度予算案の概算要求にこれらの関連経費を盛り込む。



