福岡地裁久留米支部(赤坂宏一裁判官)は21日、交際相手の女性(当時42)に自殺を持ちかけて実行を手伝ったとして、自殺幇助(ほうじょ)の罪に問われた元陸上自衛官の男性被告(39)に対し、拘禁刑2年、保護観察付き執行猶予5年(求刑拘禁刑2年)を言い渡した。
事件の経緯と判決内容
判決によると、被告は2025年12月14日から15日にかけて、交際していた女性に「自殺する」などと告げ、一緒に死ぬことを決意させた上で、ロープなどを用意し、久留米市内の自宅で女性を死亡させた。被告自身は途中で苦しさを感じて自殺を図ったが未遂に終わった。
被告は職場でトラブルを起こし、事件前の12月13日ごろに上司から「職を続けることはできない」と示唆されたことで自殺を決意していた。被告は行為を認めており、裁判の争点は量刑に絞られていた。
検察と弁護側の主張
検察側は「被害者の自殺に果たした役割の大きさは看過できない」として実刑を求めたのに対し、弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。
判決は「交際相手である被告が言い出さなければ被害者は自殺を決意していなかったであろう関係にあった」と被告の責任を非難する一方で、「社会内で贖罪(しょくざい)と更生の道を歩ませるのが望ましい」として執行猶予を付けた。
判決後の措置
赤坂裁判官は判決言い渡し後、被告に対し更生への期待と注意を促す説諭を行ったとみられる。本件は、自殺をめぐる人間関係と法的責任の重さが問われた事例として注目される。



