元保育士に懲役10年判決、2歳児にカッター切りつけ殺人未遂認定 鹿児島地裁
元保育士に懲役10年判決、2歳児にカッター切りつけ

鹿児島地裁(小泉満理子裁判長)は16日、鹿児島市の認定こども園で2024年6月、勤務中に2歳の男児の首付近をカッターナイフで切りつけるなどした事件で、殺人未遂と傷害の罪に問われた元保育士の無職笹山なつき被告(23)に対し、懲役10年(求刑懲役12年)の判決を言い渡した。裁判員裁判の判決公判で、小泉裁判長は「死亡する可能性も十分にあり、極めて悪質」として殺意を認定した。

事件の概要と殺意の争点

検察側の論告などによると、笹山被告は2024年6月7日午前、保育中に泣き出した2歳男児にいら立ちを募らせ、外遊びから戻って靴箱前に立っていた男児に背後から近づき、殺意を持って5ミリほど刃が出たカッターナイフの刃先を右首付近に差し込み、手前に引いて切り、全治1カ月のけがを負わせたとされる。

また、2024年6月3日午前には、なつかない1歳女児にいら立ち、鼻付近を木製棚の角に打ち付け、7針縫うけがを負わせたとされた。

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これに対し、笹山被告は公判で殺意を否認し、殺意の有無が最大の争点となっていた。弁護側は殺意はなく、傷害罪にとどまるとして執行猶予つきの判決を求めていた。

判決理由と量刑

小泉裁判長は判決理由で、刃渡り5ミリのカッターナイフで首を切る行為は極めて危険で、死亡に至る可能性が十分にあると指摘。被告の行為は計画的ではないものの、強い殺意に基づくものと認定した。その上で、「保育士としての立場を悪用した卑劣な犯行」と非難し、懲役10年の実刑判決を言い渡した。

検察側は懲役12年を求刑していたが、地裁は求刑より2年軽い量刑とした。

背景と社会への影響

本事件は、保育現場における虐待の深刻さを改めて浮き彫りにした。笹山被告は当時、認定こども園に勤務する保育士だったが、感情のコントロールができず、幼い子どもに対して暴力を振るった。

保育士による虐待事件は後を絶たず、2024年には全国で複数の事件が発覚。政府は保育人材の確保と虐待対応の強化を掲げ、関連法案の可決・成立を進めているが、現場の負担は依然として大きい。

鹿児島地裁の判決は、保育士による子どもへの暴力に対する厳しい姿勢を示したものといえる。

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