浜松市出身の甲斐暁子社長(42)が2023年に起業したフィグメント(大阪市北区)が、フィットネスクラブと医療機関を結びつけるサービス「かかりつけフィットネス」の導入を大都市圏で拡大している。厚生労働省が指定する運動療法施設の利用料を医療費控除の対象とする公的制度を活用し、健康増進を図る。
運動療法施設の指定制度
1992年度に始まったこの制度は、2022年度に面積要件が150平方メートルから20平方メートルに緩和された。資格保持者がいれば小さな病院の2階も対象となり、全国で約300施設、静岡県内には7施設がある。
利用にはかかりつけ医の受診が必要で、医師が発行する「運動療法処方箋」を指定運動療法施設に提出する。トレーナーが適切な運動を指導し、提携医療機関が経過観察と助言を行う。施設は運動療法の証明書と領収書を発行し、医師の署名・捺印後、確定申告時に税務署へ提出することで条件に応じた税金の還付が受けられる。
「かかりつけフィットネス」の仕組み
フィグメントは関係機関の連携をスムーズにするため、ソフトウェアで利用者の健康状態や運動内容を共有・活用する仕組みを構築。医師が患者を外部施設に紹介する文化が浸透していなかったため、薬の処方箋のひな形を用意し、医師が使いやすいように工夫した。甲斐社長は「運動の処方が薬の処方のように当たり前になり、病院や医師が良いフィットネスクラブやトレーナーを取り合うような社会にしたい」と話す。
甲斐社長は今春から活動拠点を都内に移し、経営基盤を強化。一方で「長年お世話になっている主治医と患者の信頼関係は、都会よりずっと深いものがある」と述べ、東名阪以外の地方進出にも意欲を見せている。



