つまようじメーカーが偽サイトに悪用、巧妙な詐欺被害が急増
つまようじメーカーをかたる偽通販サイトに注意

つまようじメーカーをかたる偽サイトが急増

「このサイトを本当に運営しているのか」。2026年のゴールデンウィーク真っただ中、国産つまようじメーカー「菊水産業」(大阪府箕面市)の代表取締役・藤井邦夫氏のSNSアカウントに、こんな問い合わせが相次いだ。

確認すると、医薬品などの通販を装った偽サイトで同社の社名や藤井氏の名前が無断で使われていた。サイト利用者からの相談があったほか、北海道の警察からも電話があり、サイトを運営しているか尋ねられたという。

同社は少人数運営のため「ネット上の犯罪に詳しい社員がおらず、対応は試行錯誤だった」(藤井氏)と振り返る。警察に偽サイトの情報を提供し、助言をもとに自社の公式サイトでも「一切関係ない」と注意喚起している。

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藤井氏は「気付かないうちに会社情報を悪用され、未然には防ぎようがない」と困惑する。

「長年探していた商品」に違和感抱くも購入

関東地方に住む男性会社員は、菊水産業をかたる偽サイトを知らずに利用し、被害に遭った。「(申し込みフォームに)住所や名前を入力してしまったので、悪用されないか」と今も不安が消えない。

偽サイトで長年探していた趣味の品が「出品」されているのを発見。相場より安い値段に違和感も抱いたが、記載されている会社名や代表取締役名を検索すると、実際のつまようじメーカーと一致した。つまようじとは関係ない商品だったが、「手広く扱っているのだろう」と信じ、購入手続きに進んだ。

後日、指定された口座に約9000円を入金したのに、「引き出しができない」とメールが届いた。その後の対応にも不審点があり、菊水産業に電話で問い合わせて、偽サイトだと分かった。

男性は取材に対し「最初からもっとよく確認しておけばよかった。安い商品に、物欲しさが先走ってしまった」と悔やんだ。

25年に100万件超、URL1文字違いも

警察庁によると、2025年の1年間で、実在する企業のものを装ったフィッシングサイトやショッピングサイトなどを約103万件発見し、過去最多となった。前年は約73万件で、右肩上がりで増加している。

こうしたサイトでは商品代金名目で金銭を詐取されるほか、クレジットカードをはじめとする個人情報を犯罪グループに渡る危険性がある。

捜査関係者によると、偽サイトは主に海外を拠点に運営され、摘発は困難なケースが多いという。警察庁や消費者庁は対策としてURLをよく確認するとともに、価格が極端に安かったり、「本日限り」と購入をせかしたりするようなサイトには警戒するよう呼びかけている。

ただ、ある警察幹部によると、公式サイトと1文字違いのURLを使うなど、本物と見分けがつきにくいサイトもあり、「より一層の注意が必要だ」と述べている。

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