千葉豪雨、車の屋根にしがみつく男性救助…軽乗用車の人は見えなくなる
千葉豪雨、車の屋根にしがみつく男性救助…軽乗用車の人は見えなくなる

記録的な大雨に見舞われた千葉県では、道路が冠水して車ごと流されたり、車内に閉じ込められたりする人が相次いだ。懸命な救助活動は住民も加わり、警察は引き続き行方不明者の捜索を続けている。

住民が救助に協力、車の屋根にしがみつく男性を救出

千葉市若葉区北谷津町で14日午後、建築会社社長の男性(38)は「自分が気づかなければ男性は流されていたかもしれない。助かってよかった」と話し、田んぼに残された白い乗用車を見つめた。この車の屋根に高齢男性がしがみついているのを見たのは、「レベル5大雨特別警報」が出されていた13日深夜。水は男性のすぐ下にまで迫っていたが、警察や消防への通報はつながらなかった。

会社の従業員が、通りかかった救急車を呼び止めて状況を説明し、約1時間後に駆けつけた消防隊員によって救助された。ただ、社長の男性によると、高齢男性は救助される前、近くで軽乗用車から降りた人が見えなくなったのを目撃したという。消防によると、この地域では1人が行方不明となっており、男性は「もう少し早かったら軽乗用車の人も助けられたかもしれない」と無事を祈った。

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佐倉市でタクシー水没、女性死亡

佐倉市小竹の路上では13日午後11時45分頃、タクシーが水没。乗客とみられる女性(66)から119番があった。市によると、タクシーの屋根で救助を待っていた男性運転手は消防に救助されたが、車内にいた女性はその場で死亡が確認された。

近くに住むパン店経営の男性(58)によると、14日午前2時頃まで、「おーい、おーい」と叫ぶ消防隊員の声が聞こえていたという。同日朝に女性の死亡を知り、「何事かと思っていたが、とてもかわいそうだ」と声を落とした。

柏市で水没車から2人救出、女性死亡

柏市八幡町の住宅街では、水没した軽乗用車内から男女2人が救出された。70歳代の女性が病院に搬送され、14日朝に死亡が確認された。

近くに住む男性(66)は13日午後5時半頃、1台の軽乗用車が数十メートル先の冠水した道路に向かっていくのを見た。「そっちはダメだ」。大声で必死に叫んだが、車は止まらない。くぼみにはまったのか徐々に沈み、屋根まで水につかってしまった。

男性は頭を超える高さまで達した水に入り、泳いで車の屋根にたどり着くと鉄パイプで後部の窓を割り、車内に腕を伸ばした。人の手に触れたのを確認し、手をつかんで高齢男性を車外に引っ張り出した。

高齢男性は男性の知人だった。「奥さんは家か?」と尋ねると、「まだ車の中だ」と答えたため、男性は周囲の人が渡してくれた金づちなどでさらに窓を割り、女性を引き上げた。だが、女性はすでに心肺停止だったという。男性は「何とか助かってほしいと思っていたが、本当に残念だ」と悔やんだ。

県内で放置車両1000台以上、レッカー移動進む

千葉県と千葉市によると、県内で浸水して動かなくなり、道路に放置された車両は1000台以上(推定)に上った。県と同市は14日、緊急車両が通行できるようにするため、災害対策基本法に基づき車両を順次、レッカー移動させた。

千葉市中央区中央の県道では、朝の通勤時間帯になっても車両20台余りが約150メートルにわたって残され、周辺で激しい渋滞が発生した。同区の別の場所で帰宅途中に車が浸水したという同市の自営業の女性(56)は「車が揺れて流されている感覚があった。本当に怖かった」と話し、レッカー移動される様子を見つめていた。

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