イオンモール爆発、再入館許可の経緯判明…遺族「真相解明を」
イオンモール爆発、再入館許可の経緯判明…遺族が真相求める

商業施設「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)で起きた爆発事故で、イオン側が一部の専門店従業員に対し、避難後の再入館を許可していたことが明らかになった。事故で同居の妹(30歳代)を亡くした熊本市西区の男性(46)は「ようやく事実が発表された」と安堵する一方、「妹のためにも真相解明を求め続けたい」と気持ちを奮い立たせた。

妹からの電話

施設2階のアパレル店に勤務する妹は、地震直後の7月28日午後4時半過ぎ、自宅の父親に電話で「たぶん店の片付けをして帰らないと」と伝え、帰宅は同10時頃になると話していた。

その後、施設が爆発したと聞いた男性は、妹の携帯電話に両親や弟と電話をかけ続けた。反応がないまま深夜となり、ニュースで映し出される救助作業の様子に最悪の事態を覚悟した。翌日、警察から妹が亡くなったと知らされた。

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調査結果への思い

妹の勤務先のアパレル大手「オンワードホールディングス」(東京)は今月4日、事故に関する調査結果を公表した。死亡した従業員3人は施設外に避難。その後、従業員から「貴重品を取るために戻った」と連絡を受けた担当者は速やかに外に出るよう伝えたとする内容だった。仕事への責任感が強い妹だった。男性は調査結果について、妹たちの全ての行動が分かったわけではないのに、「ルールを破って戻った」と結論付けられたように感じた。

男性は11日にイオン側幹部と面会し、専門店従業員らに再入館を許可した経緯については説明を受けたが、妹らがどのように再入館したかなどについて詳しい経緯は分からなかった。

遺族の無念と再発防止

男性は悲しみをこらえ、妹が好きだったアニメキャラクターのポーズをまねて、遺影に向かって「やったるぞ」と語りかけている。声なき妹の代わりに、証言などに基づいて検証をさらに進めるよう求め、真相究明を尽くす決意だ。

2階のアパレル店で勤務していた妻(30歳代)を亡くした男性は「地震からしばらくして爆発するなんて誰も考えない」と語る一方、「それでも、館内に戻るのを引き留めてくれれば妻は死ななかった。どうして再入館の許可を出したのか」と悔しさをにじませた。

大竹玖瑠美さん(22)が巻き込まれた2階雑貨店の運営会社「ハビタ」(熊本市)は、イオン側の許可を条件に売上金を金庫に戻すよう店長に指示したと説明した。親族男性(51)はイオン側から「(再入館を)許可した個人ではなく、全て会社の責任」と謝罪を受け、「誠意が見えた」と語った。同じような犠牲者が出ないよう、マニュアル改定を求める。

ハビタは12日、同社の事故報告書について、公平性の担保を目的に外部の識者に意見を求めることを検討していると明らかにした。

専門家の指摘

防災マニュアルの助言などを行う防災システム研究所(東京)の山村武彦所長は「全国の商業施設では、事故を教訓に避難後の施設の安全確認を誰がどのように実施するかや、施設に残った私物への対応、再入館できない場合の帰宅方法などを検討し、実践的なマニュアルを整備していく必要がある」と指摘する。

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