十和田湖に10年超放置の遊覧船、行政代執行で撤去へ 費用7億円超
十和田湖に10年超放置の遊覧船、行政代執行で撤去へ

青森県は十和田湖(十和田市)に放置されている遊覧船について、行政代執行による撤去を26日から始める。2014年から10年超にわたって不法係留され、所有者側が撤去に応じなかったため。国立公園のため国の補助金も活用する予定だが、撤去には7億円強かかる見込みという。

4隻の遊覧船、横転や劣化が確認

遊覧船4隻は、秋田県小坂町にも近い十和田湖の宇樽部(うたるべ)地区にある。青森県港湾空港課によると、いずれも全長約30メートル。8月中旬に訪ねると、うち1隻は横転してシートで覆われていた。桟橋には草木が生い茂って「立入禁止」の看板があったが、フェンス越しにも船のさびや塗装の劣化などが確認できた。

周辺ではレジャーを楽しむ人たちの姿があった。家族やペットと来た五所川原市の公務員、田中祐教さん(51)は「危なくて近寄れない。きれいな場所なので、船が無くなって整備されればもっと人が来るのでは」と話した。

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行政指導は26回、組合側が応じず

桟橋は県管理で、2014年11月から十和田湖遊覧船企業組合(2016年解散、清算中)所有の遊覧船が不法係留されている。きっかけは桟橋使用料の滞納で、2015年11月に今と同じ4隻の放置が始まった。2025年2月には雪や風の影響でうち1隻が横転。県は撤去させるべく組合側に対し、2025年までに計26回の「行政指導」、2025年5月に一段階上の「撤去勧告」、9月には初めて期限を定めた「撤去命令」を行った。

だが撤去されず、2026年3月には改めて期限を設けた「戒告」をしたが、組合側から「撤去に向けた具体的な回答は得られなかった」(港湾空港課)という。景観や環境などへの影響を懸念し、行政代執行による撤去に踏み切る。

撤去作業は2027年度末までに完了予定

県は26日以降、仮設の桟橋を作るなどし、周辺の水を抜いた上で船を解体。2027年度末までに撤去を終える予定だ。宮下宗一郎知事はこれまでの記者会見で、県の費用を計上することについて「非常に残念。事業者に請求し、しっかり責任をとってもらいたい」と述べている。

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