警視庁は17日、海外の特殊詐欺拠点で「かけ子」をさせるために女性を誘拐したとして、住居不定、指定暴力団住吉会傘下組織組員の山尾輝斗容疑者(26)を所在国外移送誘拐などの疑いで逮捕したと発表した。認否は明らかにしていない。
カンボジア移送目的でマレーシアへ
特別捜査課によると、逮捕容疑は2025年10月、カンボジアへ移送する目的で東京都内に住む当時19歳の女性に「海外で稼げるよ。明日にでも行こう」などと伝え、マレーシア行きの飛行機に乗せたというもの。
女性は東京・歌舞伎町の「トー横」で知り合った男性から、海外での仕事を紹介してくれる人物として山尾容疑者を紹介されたという。山尾容疑者に誘われた翌日、用意された航空券などを利用してマレーシアへ渡航。さらに空路でカンボジアへ渡ったという。
4カ所の拠点で電話役、約9カ月後に脱出
女性はその後、カンボジアとマレーシアの計4カ所の詐欺拠点を転々とし、特殊詐欺の電話役をさせられていたという。拠点には、トー横で見覚えのある女性らも複数人いた。
女性は出国から約9カ月後の26年7月にマレーシアの拠点から逃げ出し、日本大使館に保護された。警視庁は、トー横に出入りする若者らが海外の詐欺拠点に送り込まれる実態や、特殊詐欺の被害についても調べを進める。
警視庁が実態解明へ
女性は警視庁の調べに対し、海外の詐欺拠点での状況を説明した。ほかのメンバーの音声を聞くように指示されたことなど、特殊詐欺の拠点で担当した役割についても詳しく話しているとみられる。



