全国戦没者追悼式が15日、日本武道館で開かれた。7月の地震で大きな被害が出た熊本県では、宇城市などの遺族2人が参加を急きょ取りやめた。震度6強に見舞われた美里町の丸山成生さん(67)は、戦死した祖父・進さんの墓石の一部が揺れで倒れたものの無事参列し、「家族も大事に至らず、祖父が守ってくれた」と感謝の思いを胸に式に臨んだ。
祖父の思いを継いで自衛官に
農家だった進さんは1944年6月に応召し、36歳の時にフィリピンで戦死した。母の話では、地域で若者のリーダー役を担い、明るい性格だったという。
丸山さんは進さんの話を聞くなどするうち、国や愛する家族を守ろうと戦地へ向かった祖父の思いを継ぎたいと考えるようになり、「自分も国に貢献したい」と陸上自衛官の道に進んだ。不発弾の処理など死と隣り合わせの危険な任務に恐怖を覚えつつ、「家族を残して戦地へ向かった祖父の気持ちに近づけた気がした」と振り返る。
平和への誓いを新たに
現在は県遺族連合会の副理事長を務め、小中学校を回って子どもたちに戦争の残酷さを伝えている。2度目の参加となった今回の追悼式では、災害と戦災との違いにも思いをはせながら平和を祈念したという。
地震は人の力でどうにもできないだろう。しかし、「人災である戦争は絶対に起こしてはいけない。戦争の犠牲者やその家族の苦難を、今後も子どもたちへ語り継がなくては」。改めてそう誓った。



