【ワシントン=中根圭一】米国のトランプ大統領は、幼児に接種を推奨するワクチンを11種類に絞る大統領令に署名した。トランプ氏は「ワクチン接種が自閉症を引き起こす」と主張しているが、米国民が免疫を獲得できず、感染拡大のリスクが高まる恐れがある。
大統領令の内容
10日に署名した大統領令では、米国は他国より多くのワクチンを推奨しているとして、インフルエンザや新型コロナなど6種類のワクチンについて、医師と保護者による個別判断に切り替えた。麻疹(はしか)、おたふく風邪、風疹の「MMR混合ワクチン」に関しては、3回に分けて接種することを奨励した。
科学的根拠と懸念
ワクチンと自閉症との関連性については、世界保健機関(WHO)が昨年、科学的な裏付けはないと結論付けている。しかし、トランプ氏は大統領令に署名する際、根拠を示さないまま、「(ワクチン接種は)致命的な結果をもたらす恐れがある」と持論を展開した。
米国では近年、「ワクチンは危険だ」との言説が広まっている。米政策研究機関KFFは6月、ワクチン懐疑派が拡大する背景には、情報源をSNSや人工知能(AI)に頼る国民の行動があると指摘した。



