東京と伊豆諸島間などで定期旅客船を運航する「東海汽船」(東京都港区)で、今年の元日に複数の乗組員が運航中の船内で飲酒後、そのまま当直勤務などについていた疑いがあることが、国土交通省関係者への取材で分かった。複数の乗組員が、元日の新年会は慣例になっていたと証言したため、国交省は会社側も運航中の飲酒行為を認識していたとみている。
新年会は「慣例」だった
関係者によると、今年1月1日に船内での新年会が開かれたのは、東京などを出航した東海汽船の大型客船「さるびあ丸」と「橘丸」の2隻。少なくとも計10人以上が出航後のそれぞれの船内で集まり、ビールなどの酒を飲んだという。参加者の中には操船を担当する乗組員もおり、新年会後、そのまま運航業務にあたっていた。
国交省が同社への臨時監査を行ったところ、複数の乗組員が元日の運航中に船内で飲酒したことを認めた上で、「以前から元日は、船内で新年会が開かれていた」などと説明したという。酒気帯び状態での当直勤務は船員法で禁じられている。国交省は乗組員のこうした証言などから、会社としても酒気帯び状態での乗務を認識していた可能性があるとみている。
他の法令違反の疑いも
東海汽船では酒気帯び状態での当直勤務のほか、別人によるアルコール検査の身代わり受検や、旅客乗船口を閉じないままの運航などの疑いも明らかになっている。アルコール検査の身代わり受検は、ジェット船の乗組員が行っていたという。
国交省関東運輸局は7月31日、海上運送法に基づく事業停止命令などの行政処分案を東海汽船に通知。今月21日に東海汽船から意見を聞く「聴聞」を実施した上で、正式な処分を決定する。
処分対象は主要航路
処分案の対象の航路は東京―大島―神津島、東京―八丈島、熱海―大島で、同社が運航する主要ルートが含まれている。東海汽船は読売新聞の取材に対し「行政手続き中で、回答は控える。外部の専門家による特別調査委員会が調査を行っており、知らせるべき事項が生じた場合には速やかに報告する」とした。



