ネパールと中国の国境付近で発生した大規模な土石流と洪水被害をめぐり、行方不明となった親族の情報を求める投稿が中国のSNS上に溢れている。中国当局がチベット自治区でのメディア取材や情報発信を厳しく制限する中、残された家族らは焦りと不安を隠せずにいる。
情報格差が浮き彫りに
ネパール当局が死者・行方不明者の情報を定期的に公表し、メディアが被災者の表情を直接報じているのに対し、中国国営メディアは、行方不明者の氏名も家族や親族の表情も公表していない。
中国側の報道は主に、2300人規模の救助活動や、習近平国家主席の指示、李強首相の現地入りなど、政府の対応に焦点を当てている。
被害の規模
中国国内での被害は、洪水発生から1週間が経過した時点で死者21人、行方不明者541人に上っている。一方、ネパール側では1200人以上が死亡、4200人以上が行方不明と報告されている。ネパール側の不明者には約100人の中国人が含まれている。
SNS上では、吉隆(キドン)で濁流にのまれた警察官や建設作業員、観光客らの写真とともに、「奇跡が起きてほしい」「胸が痛くて眠れない」といった切実な書き込みが続いている。
情報開示をめぐる懸念
国外のチベット支援団体などは中国側の情報開示に懸念を示しているが、中国政府は「情報の公開はオープンかつタイムリーに行われている」と主張している。
国営新華社通信が報じたところによると、地元当局は被災者親族からの800件以上の電話に「迅速に対応している」という。
SNS上では2日、ある女性が「早く帰ってきてほしい。ご両親がとても心配している。私たちはあなたたちが必要」とのメッセージを投稿した。添付された写真には、警察官である男性親族とその妻が写っていた。
災害発生時、この夫婦は吉隆の国境検問所にいたとみられており、その後、連絡が途絶えているという。
勤務先の現地警察からは、男性が行方不明になっており、家族は現場近くに避難しているとの報告があったと、女性はAFPへのメッセージで語っていた。これを最後に、女性からの返信はない。
女性は以前、チベット行き航空券の画像をSNSで共有していた。



