神奈川県警の警察官が承諾なく自宅に入り、障害者への「合理的配慮」も怠ったとして、視覚障害がある夫婦が県に賠償を求めた訴訟で、最高裁第三小法廷(沖野真已裁判長)は夫婦の上告を退けた。26日付の決定。夫婦を逆転敗訴とした二審・東京高裁判決が確定した。
一審は賠償命令、二審で逆転敗訴
一、二審判決によると、県警磯子署員らは2019年、「怒鳴り声がする」などの通報を受け、聞き込みのため夫婦のマンションを訪れた。警察官は夫妻の部屋に入り、夫は下着姿で対応した。
一審・横浜地裁は、夫婦は立ち入りを承諾していなかったと判断。女性警察官もいたのに、夫に下着姿で対応させたのは「合理的配慮」を怠ったと認め、県に27万5千円の賠償を命じた。
「意思の表明」を巡る判断
だが、高裁は、夫が警察官に「話すなら中に入って話せ」などと言ったとして、立ち入りの承諾があったと指摘。障害者差別解消法は、合理的配慮には当事者の「意思の表明」が必要としており、夫婦から具体的な要望がなかったため警察官の対応は適法だと判断した。
高裁判決に対しては、夫婦の代理人弁護士が会見で「目が見えない人は目の前で何が起こっているか分からないので、誰に何を要望すればいいかも分からない」と指摘。「意思の表明」に関する判断が、当事者にとって厳しすぎると批判していた。
最高裁の判断と確定
第三小法廷は決定で、上告できる理由にあたる憲法違反などがないとだけ判断した。



