喫煙者約2割、加熱式タバコ定着も増税で禁煙意向が浮き彫りに
喫煙者約2割、加熱式タバコ定着も増税で禁煙意向

オーバーロードは7月15日、喫煙・禁煙に関する意識調査の結果を発表した。調査は2026年1月5日~1月18日、全国20~69歳の男女49,879人を対象にインターネットで実施された。

喫煙者は全体の約2割、紙巻タバコが依然主流

喫煙経験について尋ねたところ、「現在もタバコを吸っている」と回答した人の割合は約2割(22.9%)となった。厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」の年齢階級別データに基づき、20~69歳で喫煙率を概算すると約18.4%であり、本調査の結果も大きく矛盾しない水準といえる。

「最もよく吸っているタバコの種類」については、「紙巻きタバコ」が57.5%で最多、「加熱式タバコ(IQOS、glo、ploom、リルハイブリッド、ウィズ2など)」が39.9%、「VAPE(ニコチンが入っていない電子タバコを含む)」が1.3%と続いた。紙巻きタバコが約6割を占め根強い支持を集める一方、加熱式タバコをメインとする人も約4割に上る。かつては新しい選択肢であった加熱式タバコが、現在では喫煙者の間で一般的なスタイルとして深く定着している状況がうかがえる。周囲への配慮や喫煙環境の制限といった社会的変化が、煙や匂いの少ない加熱式への移行を後押ししていると考えられる。

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加熱式タバコ、女性の利用割合が高い傾向

男女別に加熱式タバコの利用割合を見ると、男性が39.1%であるのに対し、女性は41.6%と高い傾向が見られた。この結果は、厚生労働省の公式統計(男性41.4%/女性44.2%)とほぼ一致している。公的データと同様の傾向が本調査の大規模データでも明確に確認されたことから、女性の間で匂いや煙の少ない加熱式タバコを選ぶスタイルがより浸透している実態がうかがえる。

増税後も半数が「同じタバコを吸いたい」、価格上昇が行動変容のきっかけに

ライフスタイルに合わせたタバコの選択肢が定着しつつある一方、今後の税制改正に伴う価格上昇を前に、喫煙者はどのような選択を考えているのか。最もよく吸っているタバコについて「紙巻きタバコ」「加熱式タバコ」と回答した人を対象に、2026年からの税制改正後、増税によりタバコが値上げされても吸い続けるか尋ねたところ、「引き続き同じタバコを吸いたいと考えている」が49.6%で最多、「少しでも安いタバコに乗り換えたいと考えている」が25.6%、「禁煙したいと考えている」が17.4%となった。値上げが実施されても約半数が現在のタバコを吸い続けたいと考えている一方、安いタバコへの乗り換えや禁煙を検討する人も一定数存在し、価格の変化が行動を起こす直接のきっかけになる人もいるようだ。

1箱600円で累積4割が禁煙検討、年収で格差

具体的にタバコ一箱の価格がいくらになれば禁煙を決意するのか尋ねたところ、現在主流の価格帯に近い「~600円」の時点で累積の禁煙意向は約4割に達し、最初の大きな壁となっている。さらに「~700円」を超えると累積で約6割が禁煙を検討し、「~1,000円」に達すると累積で約9割が禁煙を選択する水準となる。少しの値上げで禁煙に動く人と1,000円の大台まで許容する人とで意識は分かれるものの、価格上昇が習慣を見直すきっかけになる可能性が考えられる。

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世帯年収別に「タバコ一箱の値段が『~600円』に達した時点での禁煙意向」を分析したところ、経済状況による格差が浮き彫りになった。年収400万円未満では47.0%が「~600円」の時点で禁煙すると回答した一方、年収1,500万円以上の人では25.6%にとどまり、両者の間に大きな開きが生じている。この結果から、収入が低い人ほどタバコ代の上昇がダイレクトに生活費を圧迫し、早い段階で禁煙の決断を迫られる実態がうかがえる。実際には低価格帯の銘柄への乗り換えという選択肢も残されているが、「同じ銘柄を吸い続ける」「安い銘柄に切り替える」「禁煙する」のどれを選べるかの幅そのものが所得によって狭まっていく構図といえる。増税による価格上昇が、嗜好品を維持できるかどうかの格差を広げる要因になっている可能性が考えられる。

禁煙のきっかけは「家計の負担」と「将来の健康」が拮抗

増税や健康意識がタバコ離れの一因となる中、すでに禁煙に成功した人は何がきっかけだったのか。「以前タバコを吸っていたが今は禁煙している」と回答した人に禁煙するに至った理由を尋ねたところ、「家計由来(値上がり・お金の節約)」が27.9%、「今後の健康を考えたため(人間ドックでの指摘など)」が27.2%、「病気や体調不良になった」が18.4%と続いた。病気や体調不良といった実際の健康状態の変化をきっかけとした禁煙を除き、自発的に禁煙を決断した人のきっかけに注目すると、「将来の健康への配慮」と「家計の負担」がほぼ拮抗しており、経済的な圧力が健康意識と並ぶ禁煙の推進力になっている実態がうかがえる。男女別でも、ともに「家計由来」が最も多く、次いで「今後の健康」という結果になった。自身の健康維持や病気への危機感といった内発的な動機と同じく、経済的な負担増という外圧が禁煙を決意させ、実際の成功へと導くきっかけになっている実態がうかがえる。