英国サウザンプトン刑事法院は17日、シーク教徒の男が白人男性を刺殺した事件で、加害者の母親キラン・カウル被告(53)に対し、凶器の儀礼用ナイフを隠そうとしたとして証拠隠滅等罪で拘禁3年の判決を言い渡した。被害者のヘンリー・ノバクさんは、加害者ビクラム・ディグワ受刑者(23)によって人種差別発言をしたという虚偽の告発を受け、手錠をかけられたまま死亡する映像が公開され、社会に激しい怒りを引き起こした。
事件の経緯と判決
ディグワ受刑者は6月、携帯電話をめぐる口論の末、刃渡り21センチの儀礼用ナイフでノバクさんを刺殺したとして終身刑を言い渡され、仮釈放可能となる最低拘禁期間は21年に設定された。極右勢力はこの事件を、警察が民族的少数派を白人より寛大に扱う「2層構造の取り締まり」の例と指摘し、白人の権利が軽視されていると主張した。
ウィリアム・ムースリー判事は、カウル被告が儀礼用ナイフを犯行現場から自宅に持ち帰った行為について、「良識のある親であれば、息子の行動を問い質し、正しいことをするよう促したはずだ。それにもかかわらず、あなたは儀礼用ナイフを自宅に持ち帰り、息子の部屋にある武器コレクションに紛れ込ませた。それは、ナイフが何に使用されたかを隠蔽する助けとなった」と指摘した。
検察と弁護の主張
ニコラス・ロッベンバーグ検事は法廷で、「儀礼用ナイフが現場になかったことが、ノバクさんがぬれぎぬを着せられ、恐怖におびえて孤独に死亡する結果を招いた」と述べた。一方、弁護側のマーク・ワトソン弁護士は、カウル被告の行動は深夜にディグワ受刑者から電話を受けた後の「一時的なパニック」によるものだと主張し、「凶器は破壊されておらず、洗浄もされず、解体されて隠されたわけでもない」と述べた。
事件の社会的影響
ムースリー判事は、カウル被告がナイフを持ち去ったことで、警察がノバクさんの真実の主張よりも、人種差別を受けたとするディグワ受刑者の虚偽の主張を信じることにつながったと述べた。この事件は、人種差別と司法制度の公平性をめぐる議論を英国で再燃させている。



