承諾殺人罪で斎藤被告に懲役10年、さいたま地裁判決「人命軽視」
承諾殺人で懲役10年 さいたま地裁判決

横浜市と茨城県の20代女性2人を同意の上で殺害したとして承諾殺人などの罪に問われた斎藤純被告(32)に対し、さいたま地裁は17日、懲役10年(求刑懲役13年)の判決を言い渡した。井下田英樹裁判長は「承諾殺人の中でも最も悪質な部類に当たる」と述べ、人命軽視の姿勢を厳しく非難した。

事件の概要と判決の内容

判決によると、斎藤被告は2015年10月、横浜市の当時22歳の女性の承諾を得て、コートのベルトで首を絞めて窒息死させた。さらに2018年1月には、茨城県の当時21歳の女性を同意の上でロープを使って絞殺した。検察側は被告の計画性と悪質性を重視し、懲役13年を求刑していた。

公判で斎藤被告は、横浜市の女性について「自殺のお手伝いをしたかった」と説明し、承諾殺人をしたことについて「後悔はなかったと思う」と述べていた。弁護側は、殺害された2人には強い自殺願望があり、被告は「やみくもに背中を押すことはなかった」と主張し、被告の関与の程度は限定的だったと訴えていた。

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裁判所の判断と量刑理由

井下田裁判長は判決で、被告が2人に「死を現実的に意識させた」と認定し、「殺害の承諾の形成過程に積極的に関与したことは非常に悪質」と指摘した。その上で、被告が起訴内容を認めているものの、「『罪悪感もない』などと述べており、いまだに人命の価値を軽視した自己の問題を理解していない」と述べ、量刑の理由を説明した。

弁護側は被告の反省の態度を強調していたが、裁判所は被告の内省の欠如を重く見た形だ。この判決は、承諾殺人であっても、被告が被害者の自殺意思形成に積極的に関与した場合、その悪質性が高く評価されることを示している。

社会的影響と今後の課題

本事件は、インターネットなどを通じて自殺願望を持つ人々と接触し、実際に殺害に至ったケースとして注目を集めた。承諾殺人は刑法第202条に規定され、7年以上の懲役に処される。今回の判決は、同罪の量刑判断において、被害者の自殺意思の程度と被告の関与の度合いが重要な要素となることを改めて示した。

さいたま地裁の判断は、自殺幇助と承諾殺人の境界線をめぐる議論にも一石を投じるものとなった。専門家からは、被告の更生可能性や社会復帰の条件について、今後の矯正教育の在り方が問われるとの声も上がっている。

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