パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のナブルス近郊にあるクスラ村で9日から、イスラエル人のならず者入植者がパレスチナ人の家々を取り囲み、補給路を遮断した。この事態に対し、米国から異例の強い批判が寄せられ、イスラエル軍は13日、入植者の排除に乗り出した。
包囲で水や食料も断たれる
クスラ村では、ならず者入植者が米国籍を持つパレスチナ人の家1軒を含む複数の家々を包囲し、補給を断っていた。パレスチナ人住民らは、水と食糧さえ断たれていると訴えていた。
イスラエル軍は13日、未明に現地へ部隊を派遣し、アウトポスト(前哨地)2か所を解体し、イスラエル人1人を拘束したと発表した。パレスチナ自治区におけるすべてのユダヤ人入植地は国際法違反とされるが、アウトポストはイスラエル国内法でも違反とされている。
軍が駐留、住民は帰宅
軍は「パレスチナ人住民を保護し、治安を維持するため」現地に部隊を駐留させていると付け加えた。目撃者によると、軍がアウトポストのテントやブランケットを撤去した後も、ならず者入植者らは近くの丘の岩場に居座っているという。
包囲された家に閉じ込められていたパレスチナ人女性のアイシャ・ハッサンさんは、「軍によって村が完全に封鎖されているため、今も食料や物資を入手できていない」と語った。
クスラ村のアブデル・アジム・ワディ村長によると、軍は13日朝に一時接収していた家8軒から撤収し、「避難させられていた住民全員が自宅に戻った」と述べた。ただ、13日夜の時点でも、以前包囲されていた家々の近くにはならず者入植者が居座っており、これに対応するため軍部隊も16日まで同村に駐留すると住民に告げているという。
米大使が痛烈に非難
これまで長年にわたり入植活動を熱烈に支持してきた米国のマイク・ハッカビー駐イスラエル大使は、X(旧ツイッター)で今回の包囲について、「こうしたならず者のような行為に弁解の余地はない」と痛烈に批判した。さらに、「この家族に対する恐喝・嫌がらせを意図した恐ろしいテロ行為を実施した者たちの行動にはへどが出る」と付け加えた。
同大使によると、イスラエルは重要な同盟国である米国の要請を受けてこの事件に介入したとされる。先週末に公開された映像には、家々を包囲したならず者入植者と共にイスラエル兵が祈りをささげている場面が映っており、軍は措置を講じると発表していた。



