定年後男性の孤独死8割、佐藤優氏が勧める居場所づくり
定年後男性の孤独死8割、佐藤優氏が勧める居場所づくり

元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、著書『定年後の日本人は世界一の楽園を生きる〈実践・成功編〉』(Hanada新書)において、定年退職後の男性が直面する深刻な社会的孤立と孤独死の問題を分析している。男性の孤独死は日本の重大な社会問題であり、日本少額短期保険協会の2025年の調査によると、孤独死全体の約8割(83.3%)を男性が占める。特に50代後半から60代の男性にリスクが高く、厚生労働省の人口動態調査(2020年値分析)に基づく推計では、未婚男性の死亡年齢の中央値は約67.2歳で、日本人男性の平均寿命より約15歳も低い。

男性が孤立する背景:弱音を吐けない特性

佐藤氏は、男性が社会的孤立に陥りやすい要因として、弱音を吐くことや助けを求めることが苦手な傾向を挙げる。定年退職や離職によって会社との接点が失われると、急速に孤立が進む。孤独感を自覚しにくく、周囲に支援を求めないため、相談相手がいなくなる。孤独死の発見までの平均日数は19日で、異臭や害虫の通報、家賃や公共料金の滞納がきっかけとなることが多い。室内が「ゴミ屋敷」化するケースも少なくない。また、賃貸物件で孤独死が発生した場合、特殊清掃や遺品整理の費用は法定相続人が負担する責任が生じる。

「筑波病」に学ぶ構造的孤立

佐藤氏は、1980年代から1990年代にかけて語られた「筑波病」を想起させる。茨城県つくば市の研究学園都市では、移住してきた研究者や家族の間で抑うつ状態や自殺が目立った。構造的な要因として、コミュニティの希薄さや社会的ネットワークの欠如が指摘された。定年後の男性も同様に、仕事を失うことで社会との接点が断たれ、孤立するリスクが高まる。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

自律的な居場所づくりの重要性

佐藤氏は、定年後こそ自律的な価値観を持ち、交友関係を再構築する必要があると説く。具体的には、趣味の会、小中高校の同窓会、大学時代のサークル仲間との会合など、価値観を共有する人々が集まる居場所の確保が重要だ。仕事に注いできたエネルギーを、同好の士に向けることで、収入と友人を同時に得られる「お得」な方法もあるという。アプリでのマッチングも有効な手段の一つとして挙げている。

実践的な第一歩:疎遠になった友人をリストアップ

佐藤氏は、まず手始めに、しばらく疎遠になっていた友人たちをリストアップすることを勧める。リアルに会える人との関係を再構築することが、孤独死を避けるために不可欠だ。東京には愚痴を吐き出せる場所が多く、自分から積極的に話しかける姿勢を持つことが大切だと強調する。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ