退職代行サービス、約4社に1社が1年以内にサービス停止の可能性 帝国データバンク調査
退職代行、4社に1社が1年以内に停止の可能性 調査

退職代行サービスを巡り、市場に異変が生じている。帝国データバンクが発表した調査によると、2025年10月時点で実態が確認できた52事業者のうち、2026年9月までの約1年間でサービス停止の可能性がある事業者は14社に及ぶという。およそ4社に1社に当たる数だ。

新年度になると話題に上る退職代行

新年度になるたび、新入社員の利用がニュースになるほど話題になり、退職時の選択肢の一つとして存在感を増していた業界だ。なぜ今、サービス停止が相次いでいるのか。

今回は、この退職代行サービスが生まれた背景から、淘汰(とうた)が始まった理由までを解説する。部下の退職に悩む経営者やマネジャーは、ずっと最後まで読んでもらいたい。

「辞めたくても辞められない」人を救う「防壁」

退職代行サービスが広がった背景には、辞めたくても辞められない人の存在がある。上司からハラスメントを受けている人、退職を申し出たのに強く引き留められている人、そもそも怖くて言い出せない人。そんな人たちにとって、退職代行は最後のとりでだった。

パーソル総合研究所の調査では、離職者の5.1%が退職代行を利用したと答えている。利用した理由として「上司への恐怖心があった」を挙げた人は28.8%に上った。筆者は以前、退職代行を「高圧整理業者」に例えたことがある。皮をひそめる人は多いが、追い詰められた人には欠かせない存在だからだ。つまり退職代行は「セーフティネット」だったのである。

1年で新規参入が急増 「最後のとりで」から「もうかる市場」に

退職代行サービスは、徐々に世間に知られるようになった。メディアで取り上げられ、SNSで拡散され、若い世代を中心に利用が広がっていった。

その影響もあり、退職代行市場に参入する事業者が増えた。東京商工リサーチによると、運営項目に退職代行を掲げる企業は弁護士法人を除いて56社あり、そのうち2025年に設立されたのは32社だ。半数以上が、わずか1年のあいだに参入したことが分かる。

こうして、最後のとりでだったはずのサービスが、いつしか成長市場と見なされるようになったのである。代行サービスの手軽さが下がった、退職の心理的ハードル。