プーチン風刺のロシア人芸術家射殺は「政治的殺人」とポーランド首相
プーチン風刺の芸術家射殺は「政治的殺人」 ポーランド首相

プーチン風刺の芸術家、ポーランドで射殺される

ポーランドのドナルド・トゥスク首相は18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を風刺した作品で知られるロシア人芸術家セミョーン・スクレペツキー氏(本名ロベルト・クゾフコフ)がポーランド東部で射殺された事件について、「あらゆる兆候が政治的殺人であることを示している」と述べ、政治的な動機による可能性が高いとの見解を示した。

トゥスク首相はさらに、「これがロシアによって委託されたものであるならば、それは国際的な次元の極めて重大な問題となる」と警告した。

事件の詳細

ポーランド当局によれば、スクレペツキー氏は15日朝、正体不明の男に襲われた。拳銃で3発撃たれて倒れ込んだ後、近づいてきた男に至近距離からさらに3発撃たれたという。ポーランド政府は同氏に身辺警護を打診していたが、本人が辞退していた。

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この殺人事件に関連して、ベラルーシ国籍の男2人が逮捕されたが、その後釈放された。現在もポーランド当局による捜査が続けられている。

背景と影響

この事件は、ポーランドとロシアの間の緊張を再燃させるリスクをはらんでいる。両国関係は、昨秋にポーランド領内に無人機が墜落したことで悪化しており、ポーランドはその責任をロシアに非難している。

スクレペツキー氏は挑発的な風刺画で知られ、プーチン氏や旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン、2024年2月に獄死したロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏、チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長など、旧ソ連やロシアの著名な政治家を風刺していた。代表作の一つは、伝統的な正教会のイコンを再解釈し、幼子イエス・キリストを抱く聖母マリアの代わりに、プーチン氏を抱くスターリンの姿を描いたものだ。

スクレペツキー氏は2021年、政治的意見を理由に迫害を受ける恐れがあるとしてロシアからポーランドに亡命した。亡命先でも独自路線を貫き、ロシア反体制派のイベントに出席する一方、反体制派を公然と批判することもあった。

過去の類似事件

ロシア政府に反対した人物が国外で襲撃される事例は過去にも複数発生している。英国では2006年、亡命していた元連邦保安局(FSB)職員のアレクサンドル・リトビネンコ氏が放射性物質ポロニウムで毒殺された。2018年には、ロシアの元二重スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏とその娘ユリア氏が神経剤ノビチョクによる毒殺未遂に遭った。

ドイツでは2019年、チェチェン紛争で分離主義派を指揮したゼリムハン・ハンゴシュビリ氏がロシア国籍の男に射殺され、独ロ間の外交危機を引き起こした。リトアニアでは2024年、ナワリヌイ氏の元側近レオニード・ボルコフ氏がハンマーで襲撃され、リトアニア当局はロシア主導である「可能性が高い」と指摘した。

ロシア政府はこれら一連の襲撃事件への関与を一貫して否定している。

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