トクリュウ捜査、指示役の通信解析導入へ 有識者会議設置
トクリュウ捜査、指示役の通信解析導入へ 有識者会議設置

警察は、詐欺や強盗などで手口が巧妙化し、国際化も進む事件に対応するため、捜査手法を高度化させている。特に、交流サイト(SNS)でつながり、組織の実態が見えにくい「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の事件では、新たな手法の導入を目指している。

指示役のスマホ遠隔分析

具体的には、犯罪の計画を事前に把握するため、指示役らのスマートフォンを遠隔で分析し、標的にされた被害者の保護につなげることなどを想定している。通信の秘密などにも関わるため、制度設計を検討する有識者会議を設置した。

トクリュウは、組織の拠点を海外に設け、SNSで「闇バイト」の実行役を募るケースが多く、幹部の摘発が難しい状況にある。民家が襲われ、住人に死傷者も出ている。強力な手法の導入で被害を食い止めなければならない。

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秘匿性の高い通信アプリ

指示役は一般に、秘匿性の高い通信アプリを使い、実行役と連絡を取り合っているとされる。指示役のスマホには、狙った資産家に関する情報や犯行計画、実行役の摘発につながる情報が入っているはずだ。新手法が導入されれば、そのスマホを特定し、通信内容を解析できるようになる。

組織的な殺人や薬物の密売の捜査では、警察が裁判所の令状を取って、犯罪組織の通信を傍受できる仕組みがすでに導入されている。今回もこれを参考に、適正な捜査を確保することになる。

そのためには、有識者会議で十分に議論し、新しい制度の具体的な中身を国民に丁寧に説明することが欠かせない。

既存の対策と組み合わせ

トクリュウの犯罪を巡っては、警察官が実際に闇バイトに応募して、指示役に接触する「仮装身分捜査」の手法も導入している。詐欺に使われた口座の情報を銀行と共有し、振り込まれた被害金がトクリュウ側に渡らないよう、迅速に口座を凍結する仕組みも設けた。すでに京都府警では、数百万円の被害金の出金を阻止するなどの成果が上がっている。

栃木県上三川町の住宅で起きた強盗殺人事件では、現場周辺で事前に不審車両の目撃が相次いだ。この事例を踏まえて、警察は実行役の下見に備え、職務質問を強化することにした。

これらの捜査手法と、導入を目指す新たな手法を効果的に組み合わせ、犯行を抑え込むことが重要だ。詐欺の被害額は1日平均10億円に上る。日本の安全を守るためにも、厳しく対処すべきだ。

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