医師の処方箋を持たない客に医薬品を不正に販売したとして、東京・高田馬場にある薬局の実質的経営者らが逮捕された。処方箋が必要な医薬品を扱う調剤薬局として許可を受け、正規に医薬品を仕入れながら、不正販売を繰り返していた疑いがある。
処方箋なし販売の危険性
医師の処方箋が必要な医薬品については、薬剤師が医師の処方箋をもとに、薬の量や飲み合わせなどを確認した上で調剤し、服薬指導を行う。処方箋なしで販売されれば、こうした確認を経ないまま薬が使われ、予期せぬ副作用を招くなど、健康被害につながる恐れがある。
医薬品の不正流通に詳しい岡山大学の吉田直子教授によると、健康被害が生じても、適正な使用でなければ、医療費などを給付する国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となる可能性があり、吉田教授は「処方箋がなくても買えるからと安易に飛びつくのは危険だ」と警告する。
不正が見過ごされた背景
処方箋が必要な医薬品は効き目が強い物が多く、副作用の危険性も高くなる。患者の安全を脅かす可能性がある不正販売は、なぜ見過ごされていたのか。吉田教授が背景の一つとして挙げるのは、薬局内の権限者による不正は発覚が遅れる可能性があることだ。