今年2月に岡山市東区の西大寺観音院で行われた裸祭り「西大寺会陽(えよう)」で、宝木(しんぎ)争奪戦に参加していた男性2人が死亡した事故を受け、主催者の西大寺会陽奉賛会は、来年2月の祭りでは宝木争奪戦を取りやめる方向で最終調整を始めた。十分な安全対策を講じるには時間が足りないと判断した。
500年以上続く伝統行事
西大寺会陽は500年以上続き、国の重要無形民俗文化財に指定されている。例年2月に開催され、主催者発表で祭り全体に1万人が参加する。
その祭りのクライマックスが、宝木争奪戦だ。福を呼ぶとされる2本の「宝木」を、締め込み姿の男衆が奪い合う。
事故の経緯と検討の経過
事故は2月21日午後10時過ぎ、宝木が投下され、男衆がもみあうなかで起きた。40~50代の男性3人が意識不明の状態で搬送され、1人は低酸素脳症で、もう1人は多臓器不全で亡くなった。1人は意識が回復した。
事故を受け、奉賛会は来年2月の祭りのあり方について検討を重ねてきた。7月末には、▽例年通りの方式で開催する▽祭り自体を中止する▽祭りは行うが、宝木争奪戦をとりやめる――の3案に絞り込み、会長や副会長などに議論を一任していた。
今後の調整
29日、正副会長らによる会合を開き、宝木争奪戦をとりやめる方向を決めた。これにより、警察や消防局、町内会など関係者との調整に入った。