茨城県笠間市で戦争資料館を運営する団体が、収蔵資料を掲載するインターネットサイトを12月にも無料化する。戦後81年を迎える中、遺族らから寄贈された遺品は劣化を防ぐためデジタル化が進められてきた。無料化により、戦争の記憶をできるだけ多くの次の世代に伝えたいという。
収蔵資料は1万点超、約300点を公開
2013年にオープンした筑波海軍航空隊記念館(同市)は、航空隊員の遺族や県遺族連合会などから遺品の提供を受け付けている。年間50件ほど寄贈があり、収蔵資料はすでに1万点を超えた。
記念館などを運営する「プロジェクト茨城」は、デジタルミュージアム「戦史・戦跡資料デジタルアライアンス」を昨年1月に有料公開した。「衣類・装備品」「褒章品」「武器」などテーマごとに分類され、単語による検索も可能だ。
サイト上では、特攻隊員やその名簿、短剣など約300点の画像を見ることができる。特攻隊員の遺書の代わりとして、両親に残したアルバムの画像もあり、「笑って死にます。不孝者でしたがお許し下さい」「お体を御大切に」と記されている。
「今やらないと間に合わない」と危機感
プロジェクト茨城の金沢大介代表(56)は「戦争体験者が亡くなられ、資料がどんどん散逸している。保存し継承するには、今やらないと間に合わないという危機感があった」と、デジタルミュージアムを始めた理由を話す。
金沢代表によると、資料のデジタル化には、画像にそえる説明文をつくるなど手間がかかるため、人手不足の資料館は後手に回ってしまいかねないという。金沢代表は「先駆的な事例として、各地の資料館と連携を深め、知恵を共有し合いたい」と話している。
サイトはhttps://warhistory-da.jp/で、有料会員(年1万円)のみ閲覧できるが、12月に無償に切り替わる。現在は新規登録の受け付けを停止している。質問には、問い合わせフォームから応じている。