奈良ホテル本館が重要文化財へ、文化審答申で指定見通し
奈良ホテル本館が重要文化財へ、文化審答申で指定見通し

国の文化審議会の答申で、「関西の迎賓館」として親しまれてきた1909年創業のクラシックホテルで、現在はJR西日本が所有する「奈良ホテル本館」(奈良市)が重要文化財に指定される見通しとなった。これを受けて19日には報道向けに同館が公開され、関係者は喜びとともに、文化財としての維持管理に思いを新たにしていた。

和洋折衷の意匠が評価

奈良ホテル本館は09年に完成(28年に一部増築)し、華やかな御殿風の木造ヒノキ造りで2階建て。内装には、外観と調和した格子状の格天井(ごうてんじょう)、階段手すりの擬宝珠(ぎぼし)といった寺社や宮殿を思わせる和風のしつらえがある一方、吹き抜けや大階段のある大広間など洋風の構成が取り入れられている。和洋の意匠が高い技量でまとめられた点などが、答申で評価された。

建築家・辰野金吾が設計

建築家の辰野金吾らが設計を担当した。しかし、東京駅など、辰野の代表作に見られる洋風建築とは趣が異なっているのは、古都・奈良という土地柄が考慮された。

県などによると、奈良ホテル本館の以前にレンガ造りの帝国奈良博物館(現・奈良国立博物館仏像館)が完成した際、社寺が並ぶ奈良の景観にそぐわないとして、県議会が新築の建物について「古建築との調和を保持すべし」と決議。一方、ホテルは日露戦争後に外国人観光客らの受け入れを念頭に建設され、和洋折衷様式の採用に至ったとされる。

報道公開で宴会場など紹介

19日の報道向け公開では、格天井やマントルピースを備えた宴会場「桐の間」、大食堂としての風格を今に伝えるメインダイニングルーム「三笠」などが紹介された。

同ホテルの原田隆太総支配人は「長年守り続けてきた価値を評価していただいたのは大変光栄に思っている。これからもしっかりと維持と管理をしていきたい」と話した。