長崎の高校生、土崎空襲を取材「悲惨さ変わらない」 全校生徒に伝える
長崎の高校生、土崎空襲を取材「悲惨さ変わらない」

今夏、第50回全国高校総合文化祭(あきた総文2026)で秋田県を訪れた長崎市の長崎南高校新聞部の部員たちが、終戦前日に秋田市を襲った土崎空襲を取材した。長崎に原子爆弾が投下されてから81年となった9日、部員らは取材をまとめた学校新聞を使って「長崎の原爆と悲惨さは変わらない」と全校生徒に呼びかけた。

校内放送で取材内容を報告

「原爆は1発だったけれど、1万発の爆弾が落ちてくる空襲は、原爆とは違った怖さがあったと思う」。新聞部の高本らんさん(2年)は9日午前、同校の校内放送で土崎空襲を取材した印象を語った。

同校は毎年8月9日を登校日とし、平和学習を行う。今年は平和活動に取り組む市民団体「ピース・バイ・ピース・ナガサキ」代表で、フリーアナウンサーの前田真里さん(45)を招き、新聞部員と語り合う方法で進んだ。暑さ対策として、放送室から放送し、生徒は教室で新聞を手に取りながら耳を傾けた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

総文祭の合間に土崎空襲を取材

今夏の総文祭では同部から4人の部員が秋田を訪れ、全国の高校生と班を作って、秋田の農業や水産業などを取材した。土崎空襲の取材は総文祭の合間を縫って自主的に行われた。

7月28日、生徒らは港町の風を受けながら土崎地区を歩いた。語り部活動に取り組む「土崎港被爆市民会議」の伊藤紀久夫会長(86)や、4歳の時に土崎空襲を体験した妻の津紀子さん(85)にも取材し、長崎に戻ってから記事をまとめた。

新聞では「終戦前夜 B29 130機が爆撃」と見出しを付け、製油所が攻撃の目標にされたことや「爆弾の破片が近所の人に突き刺さった」という津紀子さんの証言を紹介した。

平和への思い新たに

同部の末永陸さん(2年)は「トラックが遺体で山積みになっていたそう」と土崎空襲の惨状を紹介した。秋田での取材体験を聞いた前田さんは「人権がないがしろにされるような戦争はあってはならない」と述べた。

同部は今後、秋田での取材をより詳細に紹介する新聞作りに取り組む。「人から人に伝えていかないと戦争の記憶は将来に残っていかない」。末永さんは今夏の取材体験を振り返った。

原爆が長崎の日常を奪い去ったあの日から81年。被爆地の高校生は遠く離れた秋田に思いをはせ、平和への思いを新たにした。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ